
今回の記事を担当するのは、辛口のたまエルよ。覚悟して読みなさい♪
さてさて、ディズニー&ピクサー最新作『星つなぎのエリオ』について語らせてもらうわ。
この作品、2025年6月20日に公開されて、監督はマデリン・シャラフィアン、ドミー・シー、エイドリアン・モリーナの三人体制。主人公エリオの声はヨナス・キブレアブ、叔母オルガの声はゾーイ・サルダナが担当しているわ。
で、結論から言うとね…あたし的には「うーん」って感じなのよね。期待してただけにというか。正直、ピクサーに期待するレベルには達してないと思ったわ。
ポリコレ論争より深刻な問題
公開前から、エリオの外見がどうだとか、LGBTの要素がどうだとか、色々言われてたわよね。確かに制作過程でクィアコード化された要素が削除されたって報道もあったし、ファッションや環境保護への興味といった設定が消されたらしいわ。でもね、あたしに言わせればそんなことよりもっと根本的な問題があるのよ。
問題なのは、エリオという主人公の人間性…いや、キャラクター性かしら。
エリオは本当に共感できない子供なのか?
孤独と喪失感という背景
まず前提として、エリオは両親を亡くした11歳の孤児よ。叔母のオルガに引き取られて暮らしてる。
この子、宇宙人に誘拐されることを夢見てるのよね。
これは疎外感の現れかもしれない。エリオの行動は典型的な「居場所のない子供」の反応よね。両親という絶対的な安全基地を失って、地球上に自分を理解してくれる存在がいないと感じてる。だから宇宙人という「絶対に自分を理解してくれるはずの存在」に逃避してるわけ。
この部分はまだ情や共感を生む余地があるんじゃないのかしら。
問題行動の数々
で、ここからがあたしの本音なんだけど…この子の行動、正直イライラするのよ!!さすがに同情の域を越えてる。
叔母のオルガが必死に面倒を見てくれてるのに、学校をサボるわ、軍事基地の機密機器を勝手に使うわ、話し合おうとすると暴れるわ。しかもね、せっかく宇宙に興味を持ってくれた友達バンビーノにも冷たい態度で、その子が持ってきたものだけ奪うような場面もあったわ。
海外の批評家の中には「エリオは複雑で時に共感しづらいキャラクターだが、それこそが子供らしさだ」って擁護してる人もいるわね。確かに、子供って自己中心的で、理不尽で、大人を困らせる存在よ。でも、それを映画のメインキャラクターとして魅力的に描けているかは別問題なのよ。
オルガとの関係性:すれ違う二人
この作品、実はエリオだけじゃなくてオルガの物語でもあるのよね。元々は宇宙飛行士を夢見ていた彼女が、甥っ子を育てるために夢を諦めた。そしてエリオはそれを知って、「自分のせいで叔母さんの人生を台無しにした」って罪悪感を抱いてる。
この設定自体は素晴らしいのよ。二人とも孤独で、二人とも相手を思いやってるのに、うまく伝えられない。これって普遍的なテーマでしょ?海外の批評でも「リロ&スティッチ」を思い出させるって指摘があったわ。
でもね、問題はエリオの成長の描き方なのよ。
成長が描かれているのか?
海外でも指摘されてたけど、「反省も成長も見られない」って批判、あたしもある程度同意するわ。確かに映画の終盤では、エリオがオルガと和解して、地球に居場所を見つけるんだけど…その過程がね、ちょっと急すぎるのよ。
多くの批評家が指摘してるように、この映画は「安全すぎる」のよね。ピクサーのお決まりのパターン通り:問題を抱えた子供が冒険に出て、友達を作って、最後は成長する。予測可能すぎるのよ。
『インサイド・ヘッド』や『Mr.インクレディブル』みたいな鋭さがないのよね。深い感情の揺さぶりがないっていうか。
宇宙での事件について
「別の惑星がエリオのせいで侵略されてしまった」という批判もある。
正確には、エリオが地球の代表として誤解されて、その結果として銀河間の危機が起きる。この惑星の住人はいい人たちで子供のエリオを逃してくれるのよね…それがまた宇宙人たちへの同情+さらなるエリオへの怒りを呼んだのかもしれないわね(笑)
エリオの無責任な行動が引き起こす混乱、それに対する責任の取り方が十分に描かれていないのよね。
でも、全部がダメってわけじゃないのよ
ここまで辛口で語ってきたけど、良いところもちゃんとあるわよ。
グロルドンとの友情
エリオの親友になる宇宙人グロルドンとの関係性は本当に良かったわ。グロルドンは目のない芋虫みたいな見た目なんだけど、エリオとの掛け合いが自然で温かいの。二人の友情シーンでは、あたしも思わず笑っちゃったわよ。
しかもグロルドンと父親グリゴン卿との関係が、エリオとオルガの関係と並行して描かれてるのよね。これは上手い構成だと思ったわ。
ビジュアルの美しさ
映像は文句なしに美しかったわ。コミュニバース(宇宙の議会みたいな場所)のデザインは圧巻だし、様々な宇宙人のキャラクターデザインも独創的。ピクサーの技術力は健在ってことね。
ただし…キャラクターデザインについては賛否両論あるわね。「豆みたいな口」のデザインが「ルカ」「ソウル」「2分の1の魔法」と同じで新鮮味がないって批判もあるわ。あたしもこれは同意。もっと冒険してほしかったわね。
「個性を認めよう」というメッセージについて
この映画、「みんな違ってみんないい」的なメッセージを伝えようとしてるんだけど、エリオの個性が他人への配慮の欠如と混同されてる感じがあるのよね。本当の個性って、他人を傷つけたり迷惑をかけたりする自由じゃないでしょ?
もっと丁寧に「個性を大切にすることと、他人への思いやりを持つことは両立できる」って描くべきだったんじゃないかしら。
『個性を認めよう』『ありのままに生きよう』というメッセージの悪い出し方だったと思うわ。
興行的失敗と批評の温度差
面白いことに、この映画、批評家からは「概ね好意的」な評価を受けてるのよ。
Rotten Tomatoesでもそこそこの点数。
でも興行的には完全に失敗。全世界で1億5400万ドルしか稼げなかったわ(製作費は1億5000万〜2億ドル)。
これって何を意味してるかっていうと、観客が求めてるものとピクサーが作ってるものにズレがあるってことよね。批評家は「安全だけど悪くない」って評価するけど、観客は「つまらない」って感じてるわけ。
あたしの最終評価
正直、『星つなぎのエリオ』の評価には賛否両論あるわ。
まああたし個人的には最悪いまいち…だったけど、それは私がディズニー&ピクサーを愛しすぎているからかもしれないわ。
エリオというキャラクターは確かに複雑で、時に共感しづらい。でもそれが子供らしさだって擁護もわかる。問題は、その複雑さを魅力的に描けていないこと。成長の過程が浅すぎること。そして、メッセージが曖昧になってしまってること。
子供は楽しめるかもしれないわ。でも大人が見て心に残るかっていうと…ちょっと微妙ね。Disney+で見るには丁度いいかもしれないけど、劇場でわざわざ見る価値があるかって言われると、あたし的には「うーん」ってなっちゃうのよ。
ピクサーには、もっと冒険してほしい。同じ宇宙モノなら『ウォーリー』みたいな、心を揺さぶられる作品を期待してるわ。

