「YO-MAGIC!」CMの意味を英語から深読み [ワンダビジョン考察]
※この記事は、マーベルの海外ドラマ『ワンダ・ヴィジョン』7話までのネタバレを含んでいます
ワンダヴィジョンコマーシャルの意味を勝手に深読みしてみる考察
第6話のCMがトクに違和感ある理由
毎回意味深なCMをドラマ内にほうりこんでくるワンダヴィジョンですが、6話の「YO-Magic」のCMは特にナゾでした。
これまでのCMと比べて違和感があったのは、企業名がない・CMの主人公は死んでしまう・ワンダのトラウマと関係しない点です。
第5話までのCMは「スターク・インダストリーズ」「ストラッカー」「ヒドラ」「ラゴス」などブランド名か組織名、または地名などが入っていました。どれもワンダと関係の深いものばかりで暗い過去に関係している単語ばかり。CMが流れている世界はワンダが作り出している世界なので、ワンダの頭の中にあるワードがトラウマのように流れてくるんじゃないか?というのがこれまでの考察でした。
また、一応CMとして、人々の生活を便利にする製品であるという建前もありました。しかし、このCMに出てくる少年は結局死んでしまう。コマーシャルとしてはダークすぎて違和感がありますよね。
CM「YO-Magic」の大まかなストーリー
無人島に一人残された飢えた少年がいる。海からサメが現れてヨーグルトスナック(=ヨー・マジック)をすすめる。少年は食べようとするが、フタが開けられず、結局飢えてガイコツになって死んでしまう。そこに「ヨー・マジックで生き延びな!」というCMキャッチコピーが流れる。 (完)

サメは海外ではフラグ
CMにサメが出てきましたね。少年にヨーグルトをすすめるサメです。Youtubeで海外のファンたちがしている考察を見たところ、サメは海外では「信用ならない奴」のモチーフだそうです。海界のキツネやイタチみたいなものかな。映画『ファインディング・ニモ』でもサメが心を入れ替えて世間のイメージを払拭しようとするギャグがありましたよね。
少年は無人島で飢えているので、サメの言うことでも信じてしまう。つまり、このサメはフラグで、こいつが出てきた時点で、いいことなんか起こらないという意味なのです。
サメは悪者のモチーフ。これから『ワンダ・ヴィジョン』で明らかになる黒幕を表しているのでしょうか?
ヨーマジックが流れた第6話までで考えられる黒幕は、ワンダ本人 or ソード(長官ヘイワード)or 別の誰かもしくはなにか大きな組織。しかし次の第7話では、アガサ・ハークネスが黒幕だったとアグネス自ら明かしました。じゃあフツーに考えると、サメはアグネスの代弁者ってこと?
いや、もう一度サメのセリフをよく考察してみましょう。
英語版でサメのセリフを深読み考察
サメが言ったセリフは「俺も昔は腹ペコだった」。
この部分、英語版ですべてのセリフを聞いてみると、
“Hungry ? I remember hungry. I use to be like that all the time."
「空腹だって? 俺も空腹を憶えているぜ。昔はずっとそうだった」
となります。
気持ちがわかるぜって意味なら、空腹の感覚を知っているということで “know" を使いそうですが、ここでサメはあえて“remember" と言っています。rememberは、思い出せる・記憶しているという意味で、誰もが知っている感覚を表すknowとは違い、記憶なのです。
つまり、サメは飢えの感覚を身を持って知っている人物。私は、これはワンダだと予想します。
なぜなら、ワンダとピエトロは幼少期、スタークの爆弾で両親を殺され、数日間不発弾に怯えながら空腹で動けずに過ごしたトラウマがあります。つまり、ワンダは空腹で動けない感覚を身を持って知っている人物です。
この出来事こそワンダとピエトロがヒドラに協力した理由であり、超能力を得たきっかけでもあります。
(マーベル映画『アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン』を参照)
キャッチコピー “ヨーマジックで生き延びろ” 字幕の意味
次に、最後に流れるCMのキャッチコピー「ヨーマジックで生き延びろ!」に注目してみましょう。
この部分を英語字幕で見てみると、
“Yo-Magic! The snack for survivors!"
直訳すると「このスナックは、生存者のためのもの」。日本語だと、生き延びるためにヨーマジックを使えというニュアンスですが、両者は少しちがう気がしませんか? 生き延びるためにヨーマジックを使えと言うんだったら、CMの少年は使えずに死んじゃってますから……。
英語のsurvivors = 生存者は、すでに生き延びたヒトのことです。飢えから生き延びたのはワンダとピエトロ。しかし、ピエトロはすでに死んでいるので、この時点であてはまるのはワンダのみです。
深読みしすぎかもしれませんが、このまま次に進みます(笑)
「YO-Magic」に隠されたダブルミーニング
最後に「YO-Magic(ヨーマジック)」の意味について。
これはただのヨーグルトの製品名と言ってしまえばそれまでなんですが。
音の響きが少し気になります。
YO-Magic = ヨーマジックは、英語で言うと “Your Magic" にも聞こえる。
MISIAの歌で「ヨーエヴリシーング〜♪」ってあったでしょ? どう聞いても私たちにはヨーにしか聞こえなかったやつ(笑) でも実はこれ、MISIAさんは合っていて、英語の “Your" “You’re" はカナ発音で言うと「ヨー」なんです。だから「ヨーマジック」も「ユア マジック」の文字遊びの可能性がある!!ネイティブの外人が聞けばハッとする響きかもしれませんね。
仮に「YO-Magic」に “Your Magic" という本来の意味が隠されているんだとすると、意味はもちろん、あなたの魔法。先ほどのキャッチコピーと合わせて訳すると「魔法!それは生き延びたヒトのためのもの!」となります。
まとめ:YO-MAGIC(ヨーマジック) CMの意味とは
今までみてきた「サメの意味」「キャッチコピーの意味」「YO-Magic!の意味」をかき集めてムリやり解釈してみると……
「YO-Magic」CMの本当の意味は、
死にそうでも魔法さえあればなんでもできる
逆に、魔法がなければ死んでしまうけど
と解釈できます。
両親の死、ピエトロの死、そしてヴィジョンの死。これらはワンダにとって辛い過去です。でも、同じ場所にいながらワンダだけは生き延びた、つまり「survivors=生き延びたヒト」です。その度に魔法も強くなっている。
ワンダは魔法を使って「死にそうでも」というか、すでに死んだヴィジョンとピエトロを生き返らせました。「魔法があればなんでもできる」のです。
でも、CMの少年は死んでいきます。CMの少年は誰でしょうか?
もしかすると、ワンダがウエストビューの街に閉じこめている住民たちを表しているのかもしれません。「魔法がないと生き残れない」と……。
第6話のコマーシャル、YO-Magic!の英語版はこちらから全編見れました。
『ワンダ・ヴィジョン』本編は、Disney+ (ディズニープラス)で全編視聴できます。というか、ディズニープラスでしか配信していません。
英語字幕/英語音声/吹き替え/日本語字幕、好きな組み合わせで視聴できるので、ちゃんたま的にはこういった英語勉強に使えてオススメです♪
以上、大好きな「ワンダヴィジョン」6話を英語というちょっと違った視点から考察してみました。

ちゃんたま
ちゃんたまでした!
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