北欧神話VSマーベル!ソーとロキの兄弟愛と関係性の真実|ドラマ「ロキ」考察

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今回はマーベルの原作考察です。

邪神とも「イタズラ好きの神」とも言われるロキの魅力とソーとの関係について、北欧神話を調べてみました。

今回は原作厨の私が説明しよう

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「マイティ・ソー」「ロキ」の原作は北欧神話だって知ってた?

マーベルの新作ドラマ「ロキ」

MARVEL公式サイトより

映画『マイティ・ソー』の原作はもちろんマーベル・コミックだが、その原作の原作は北欧神話にある。北欧神話は、世界の終末(ラグナロク)で有名な壮大な神話である。

マーベルは、北欧神話に出てくる「トール(Thor)」という北欧神話の神様を、英語読みして「ソー(Thor)」という魅力的なキャラクターを作り出した。

ロキは「ロキ(Loki)」のまま。キャラクターも敵だか味方だかわからないトリックスターとして登場する。

北欧神話「イタズラ好きの神」ロキとは?マーベル映画との違いも徹底解説!

ロキ徹底解説〜北欧神話〜

  1. ロキは「イタズラ好きの神」「裏切りの神」と呼ばれている
  2. 北欧神話のロキは、本当は巨人の血を引いているが、神オーディンの義兄弟として育つ
  3. 巨人は神たちの敵。つまりロキは最初から敵だか味方だかわからない出生
  4. 敵を差し向けるのも、味方を助ける武器(ムジョルニア)をくれるのもロキである
  5. 悪知恵に長け、神々に対してもいたずらをしかける
ロキの名前の由来は「閉ざす者」「終わらせる者」の意。ロキは、ラグナロクと共に死ぬ運命であることも示唆されている。

マーベルは主役を「ソー」に変更した!?

北欧神話の主役は、主神オーディン。すべての神の神様みたいなものだ。しかし、マーベルは、オーディンではなくソーを主役に選んだ

北欧神話のソーのキャラクターとは

北欧神話のソーは、筋骨隆々で大胆。単純で怒りっぽく、怒るとすぐにムジョルニアを投げつける。そんな男だった。

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マーベル・コミックがソーを選んだのは、ソーの方がキャラクターとして人間味があっておもしろかったからという理由らしい。

そこで、ロキもオーディンの義兄弟→ソーの義兄弟という設定に変更された。

さて、次はマーベル映画バージョンのロキを見てみよう。

ロキ徹底解説〜マーベル〜

  1. ロキは、オーディンの息子&ソーの弟として育つ。正反対の兄ソーにコンプレックスを抱きながら生きてきた。
  2. 「実は氷の巨人の子だった」「オーディンが連れ去って自分の子として育てた」という出生を大人になってから知って激怒(映画『マイティ・ソー』
  3. その後、父オーディン、兄ソー、実の親である巨人族を言葉巧みに操り、最終的に全員を裏切る。すべてはアスガルドの王位を兄から奪って支配するため。
    その後、地球征服も企むが、どちらも失敗に終わっている(映画『アベンジャーズ』)
  4. 姿を消したり擬態する妖術を使う。そのため、失敗するとこっそり逃げ延びる。
  5. 巧みな言葉のトリックは健在。「おしゃべり好き」と言われている。
原作ではラグナロクで敵側について死ぬ運命のロキだが、マーベルでは故郷アスガルドを守る側について、ソーと共に戦う。(映画『マイティ・ソー バトルロイヤル』)

友人みたいに仲良しだった?ロキとソーの関係性(北欧神話)

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解説したとおり、北欧神話でのロキとソーは兄弟ではない。ロキとオーディンが義兄弟ということは、伯父・甥の関係にあたるだろう。

二人の関係性はけっして悪くなかった。オーディンとロキは馬が合わないとされたのに対し、素朴なソートリッキーなロキの組み合わせは意外にもよかった。ソーとロキが主役になるエピソードは北欧神話にも多く残されているという。

ロキがイタズラ心でソーを裏切ることはあるものの、二人の関係は友人に近いものだった。

複雑な兄弟愛が描かれた!ロキとソーの関係性(マーベル映画)

「マイティ・ソー バトルロイヤル」ロキとソー

MARVEL公式サイトより

マーベル映画では、ロキとソーは兄弟として描かれている。

血はつながっていないものの、その事実を知ったのは二人とも大人になってから。子供時代はごくふつうの兄弟としてよく一緒に過ごしたようだ。映画『マイティ・ソー バトルロイヤル』では二人が小さい頃やった遊びを再現するシーンが見られる。ほほえましい。

ソーよりロキの方が王に向いている?

兄弟として設定したことで、マーベル映画はロキとソーの関係に深みを与えた。

映画『マイティ・ソー』1作目では、兄のソーの影に隠れながらオドオド控えめに育つ弟ロキが見られる。マッチョで「俺は強い!戦争だ!」と血の気の多いソーに比べると、ロキの方が王に向いているとさえ感じさせられた。

しかし、その時点で王様オーディンだけでなく、視聴者の私たちもロキの踊らされていたのだ。

実際、それがロキの狙いだった。ロキは兄に比べ控えめに見えたが、実は野心たっぷり。肉体派ではなく頭脳派のロキは、幼い頃から虎視淡々と王位を狙っていたのだ。

ロキは兄ソーにコンプレックスを感じていた?

元来狡猾なロキだったが、兄のソーにコンプレックスを感じていたのもまた事実。ソーは明らかに父オーディンのお気に入りだったし、仲間からの信頼が厚いのもソーなんだから当然だよね。兄弟ってフクザツ……。

だからこそ、オーディンの嘘(ロキが養子だと隠していた)が発覚した途端、ロキは敵に豹変する。これはソーへの恨みというより、父オーディンへの恨みがソーに向いたのだろう。

コンプレックスを感じていたということは、ロキはソーに憎しみだけでなく「憧れ」や「尊敬」も抱いているからだ。その証拠に、ソーに褒められた時のロキはいつもうれしそうでかわいらしい。

ブログの著者
サイト管理人

マーベルのロキってなんか憎めない感じがあるんだよね

ロキとソーの関係には深〜い愛情がある

さて、ロキとソーについて、北欧神話とマーベル映画を比較しながら見てきた。

まとめると……

ロキは元々「イタズラ好きな神」。北欧神話でも敵味方両側面をもつ。マーベル作品の中でもいつも敵だか味方だかわからない信頼できない行動をとる。
ロキとソーは原作では兄弟ではない。伯父と甥だが、友人のような関係だった。
ロキとソーを兄弟に変えたことで、マーベル映画には新しい関係性が加わる。
ロキとソーはお互いを信頼していないが、理解している。憎んでいるが、愛してもいる。タイプは正反対だが、その分憧れもある。

結局、二人の間に深い愛情があることは、アベンジャーズ映画をすべて見ている人ならお分かりでしょう。

映画ではとくに、ソー(クリス・ヘムズワース)とロキ(トム・ヒルドストン)の好演のおかげで、二人が魅力たっぷりに描かれている。

ブログの著者
サイト管理人

みんな大好きソー&ロキ

2人を兄弟に変えたのはいい変更だった

以上、マーベルのソーとロキ、北欧神話の解説でした。
参考文献:「面白いほどよくわかる北欧神話」高安正明
ありがとうございました
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