ドクター・ファシリエはブードゥーの魔術師
『プリンセスと魔法のキス』の悪役であるドクター・ファシリエは、ブードゥーの魔術師(ブードゥーマン)として描かれている。
彼の魔法は、霊的な存在やシャドウを呼び出し、他人を操る能力に基づいている。このキャラクターは、ブードゥー文化におけるブードゥープリーストのイメージからインスピレーションを得ているのだ。
映画内では、ブードゥーの儀式や象徴が描かれている。例えばドクター・ファシリエが使う呪術的なアイテムや儀式の場面がそれを示しているな。これらの描写は、すべてブードゥー文化の宗教的側面を反映しているのだ。
ドクターファシリエのモデルはパパ・レグバ?
これは勝手な考察だが、ドクターファシリエの元ネタを予想してみよう。
それは、ブードゥー教の神 “パパ・レグバ” である。
説明の前に少し注意しておきたいのは、パパ・レグバは神というくらいなので、ドクターファシリエのようなヴィランではないぞ。単純に「良い」や「悪い」と評価される存在ではなく、特定の文化では神聖な存在だよ。
ブードゥー教のパパ・レグバとは?
パパ・レグバは、主にハイチのブードゥー教とニューオーリンズのフードゥー教におけるロア(霊的存在)の一つ。彼は非常に重要な存在であり、多くの儀式や儀礼の際にまず最初に呼び出されることが多いらしい。
道の開放者: パパ・レグバは、物質界と霊界の間の門番として知られている。彼が道を開くことで、霊的な存在とのコミュニケーションが可能になるとのことだ。そのため、ブードゥーの儀式では、まずパパ・レグバに祈りを捧げ、彼の助けを借りて他の霊を招くことが一般的である。
コミュニケーションの仲介者: レグバは、言語とコミュニケーションの神としても崇拝されている。彼は多くの言語を話すとされ、霊的なメッセージを解釈し、伝える役割を持っている。
外見: パパ・レグバは杖を持ち、犬と共にいることが多い。老人の姿で描かれることもある。その姿は知恵と経験を象徴しているのだとか。また、十字路に立つ姿も、彼の道を開く能力を象徴している。
彼に関連する色は赤と黒で、これらの色を使用した儀式的な道具や装飾品が用いられるらしい。
以上がパパ・レグバの特徴である。
ブードゥー教、ニューオーリンズ、霊的な存在との繋がり、杖を持ち赤と黒がイメージカラー・・・これらがドクターファシリエに似ていると思わないだろうか。
もちろん、ディズニーは他の神話や制作陣のイマジネーションなどからも発想を得ているだろう。しかし、ドクターファシリエのモデルとして、パパ・レグバの資料も参考にした可能性はかなり高いと思う。
悪役を知るとディズニーハロウィーンはより楽しい
以上、 日本ではいまいちマイナーなディズニーヴィラン・ドクターファシリエを詳しく考察してみた。
ドクターファシリエはスタイリッシュであやしい魅力がある。海外ではなかなか人気のあるヴィランである。もしかしたら、ディズニーハロウィーンで日本でも認知度が上がったり、人気が出たりするかもしれない。
ニューオーリンズという映画の舞台、その文化など背景を知っておくと、『プリンセスと魔法のキス』もハロウィーンもより楽しめるだろう。
ディズニーランドでカリブの海賊辺りに行って、ニューオーリンズの風を感じてみるのもオススメである。
愛を感じて〜♪
ちなみに、パパ・レグバという存在を私は「アメリカン・ホラー・ストーリー」で知った。シーズン3の魔女団で見て、「あれ、ドクターファシリエに似てない?」とピンときて、調べてみたのだ。
元ネタが気になる人は、ディズニープラスでやっているのでそっちも見てみるといいぞ。ちょっとホラーだが、おすすめだ。ちなみに「アメリカン・ホラー・ストーリー」はシーズン完結型で、シーズン3が一番おもしろい。