この記事はより解説を分かりやすくするために、2024年に更新しました。
今回は、映画『アラジン』のアニメバージョンと実写版の比較レビューです。
ディズニー大好きな私にとって、『アラジン』は特別な存在です。1992年のアニメ版は子供の頃から何度も見てきたお気に入り。
アニメの魔法と実写の迫力がそれぞれどう違うのか、ディズニーおたくの視点からじっくりレビューしてみました。どっちの『アラジン』が心に残るのか、一緒に探ってみましょう!
旧アニメーションをこよなく愛す私がレビューするぞ…
2019年公開『アラジン』の実写版とは?
2019年公開の『アラジン』とは、簡単に説明すると、1992年に公開されたディズニー長編アニメーション『アラジン』の実写リメイク版である。
最近のディズニースタジオは実写化がお気に入り。「美女と野獣」も「アラジン」もミュージカルやストーリーはアニメの要素をそのままに、実写化した映画を制作している。
1992年のアニメの方をオリジナル版/アニメ版、2019年の新しい方を実写版と呼んだりします。
アラジン実写版はウィル・スミスがジーニー役を演じる
実写版キャストで話題を呼んだのは、やはりウィル・スミス。
私の周りでも映画館まで足を運んだ人の大半は「ウィル・スミスが楽しみだ」と言っていた。確かにウィル・スミス扮するジーニーは気になるところかもしれない。
ランプの魔神ジーニーは実写化が難しい。青塗りするとブルーマンショーような感じか?
イメージ⬇︎
ちなみにミュージカル版ののアラジンでは、ジーニー役は体格のいいおじさまがやっていることが多い
イメージ⬇︎
ジーニーの吹き替え版声優は山ちゃん(旧作と同じ)
ウィル・スミス扮するジーニーの、日本語吹き替え版の声優さんは、山ちゃん (山寺宏一さん)!
山ちゃんはディズニー映画の声優を数多くこなしているが、特に『アラジン』ジーニーの声優キャストとして有名である。
日本人にとっては、アニメ版も実写版も声が一緒ということになる。つまり、吹き替え版で見たとしても他の映画ほど違和感がない。これはアニメ版を愛してきた日本人にとって大きなメリットだ。
さあ、映画の感想いってみるぞ!
アニメ版『アラジン(1992)』の方が良かった点・実写との違い
『アラジン』は実写版とアニメ版で、全体のストーリーに大きな違いはない。実写で加えられたシーンはあるが、どちらかと言うと忠実にリメイクしてる部類に入る。
個人的には、美女と野獣の実写版よりもオリジナル版との差異は少ないと思う。
ただアニメ版『アラジン』を1000回は見ている私からすると……
アラジンとジャスミンの出会いが違う!!
実写版では、出会いの前後が大きく端折られている。アラジンがジャスミンに惚れる描写が物足りないと感じた。具体的には以下のシーンである。
1 : ジャスミンを市場で見かけるシーン
アニメ版では、市場を歩くジャスミンにアラジンが見惚れるシーンがある。「なんて美しい人だ」とアラジンが感動するシーンである。
このシーンは目をパチパチするジャスミンが魅力的に描かれており、また、二人の恋愛が「アラジンの一目惚れ」から始まったと証明する大事なシーンでもある。実写ではカットされていた。
2:棒で建物の上をひらりと舞うシーン
アニメ版『アラジン』にはこんな素敵なシーンがある。
ジャスミンとアラジンが二人で市場から逃げている。
慣れた様子で棒を軸にして建物から建物へと移動するアラジン。
女の子のジャスミンには木の板で橋を作ってあげる。
しかし、ジャスミンはそれを無視して、アラジンと同じように棒でひらりと跳んでみせる。
そしてジャスミンは「結構うまいでしょ?」とドヤ顔。
アラジンとアブーはポカーン。
この大事な描写が実写版では改変されていた!!
実写版では、棒を渡されたジャスミンが困ってドギマギしてしまう。
そんなのジャスミンじゃない!!
アラジンが惚れたのは、戸惑う女性じゃなくて、気の強いジャスミンなのだから!!
個人的に『アラジン(2019)』で一番不満だったのはこの非常〜に些細な点である。
実は、他の点で文句はあまりないのだが・・・このシーンがわりと冒頭にあるため、気持ちが少し冷めてしまった。
実写版ジャファーはちょっと貧弱
悪役ジャファーはアニメ版の方が断然いい。実写版にはかっこよさ、スタイリッシュさが足らず、小者感が漂うように感じた。
アニメ版のジャファーはコメディらしさはあるものの、基本的にはスタイリッシュ寄りで人気のあるディズニーヴィランである。キャラクターやファッションのデザイン性も素晴らしい。
この後に公開された『ライオンキング』の実写版も悪役スカーがいまいちだった。主役だけでなく、悪役の俳優さんや声優さんにももっと気合いを入れてほしい。
エンディングがインド映画みたい(笑)
これは笑った!
アグラバーは架空の街だとしても、アラブら辺国がベースだとすると、インドでざっくりまとめていいのか微妙なところだ。いや、だめだろう。笑。
でも、これはあえて狙いにきている面白さがあるので、これはこれでアリだとも思った。
実写版『アラジン (2019)』の方が良かった点・アニメとの違い
申し訳ないが、基本的にアニメ版が一番なのは変わらない。これは、原作のある映画(小説やコミックの映画化)やオリジナル版のある映画(リメイク版)の宿命なので、オリジナル版のおたくたちからアレコレ言われるのは避けられないことなのだ。
でも、実写版の方が優れていたシーンももちろんある。主にCGなど技術革新の評価である。
ランプの洞窟シーンのCGがよりリアルに
洞窟が荒ぶり始め、アラジンが魔法の絨毯でマグマを避けながら逃げるシーン。この洞窟シーンはアニメ版を超えた。というよりやっと実現できたという感じを受けた。
このシーンにはオリジナル版でもCGを使用しているが、少し画像が荒い。なぜなら、当時のディズニーアニメーションがまだセル画優勢時代だからである。ディズニーアニメは『アラジン』『美女と野獣』辺りから少しずつCGを取り入れ始めたので、ちょうどCGとセル画の過渡期に当たる。
美しく伝統的なセル画時代も大好きな一方で、実写版では、やっとCG技術が追いつき、制作者が描きたかっただろうシーンが完成したという感動があった。
ちなみに、魔法の絨毯で空を飛ぶ “ホール・ニュー・ワールド” が流れるあの有名シーンもCG化した価値がある。
リアルな映像で再現されたアラブの街はまるでディズニーシーのアラビアンコーストのようだった。
アニメが実体化して映画の中に入り、それらがテーマパークと影響し合う……そんなマルチバースのような楽しみ方も面白い。
アラジン実写版、周りの反応・評判は?
おたくって基本的に懐古厨なのよね
確かに私は最初から旧作以外認めない。そもそも実写化に疑問を感じてすらいる。必要あるのか?と…。
ただ、これはディズニーアニメおたくの偏った意見なので、念のため、もっとフラットな目線で見た一般的な感想も紹介しておきたい。
先に結論を言うと、実写版『アラジン』の評価はかなり高い!!!
世の中は旧作ファンばかりではないのか。。
実写版ジーニーが最高!の声多数
冒頭でも紹介した通り、ジーニーのウィル・スミス✕山ちゃんの評価が高い!
アニメに日本語吹き替え版になじみすぎた人には、歌詞の収まりが悪く感じるものの…そんな些細な問題をくつがえすほど、ジーニーの演技はすばらしく、作品を楽しいものにした。
歌詞がちがうのは些細な問題ではないがな
映画館に何度も見に行ったという声多数
実写版『アラジン』はリピート率が高いのです!
映画館に何度も足を運んだという声が多いのに驚いた。SNSではもちろん、私の周りにも「3回見に行った」という人や「アニメ版よりいい」と言う不届き者人がいる。
実写版ジャスミンの歌シーンは必要だったか?賛否両論
実写版『アラジン』のファンは意外にも多いということが分かった。
しかし、終盤のジャスミンの歌のシーンには賛否両論があるらしい。
「スピーチレス~心の声」(Speechless):ジャスミンの心の葛藤を歌で表現したシーン。このシーンはアニメ版にはなく、実写版だけのシーンだ。
歌自体は素晴らしいが、実はこのシーンが周りで一番賛否両論がある。映画館に何度も足を運んだという実写版のファンですら「急にジャスミンが歌い出すシーンはなんなのか?」と言っていた。意外にも否定派が多い。
違和感がある理由は、これがジャスミンの“想像”のシーンだからだろう。「夢オチ」のようながっかり感があるのかもしれない。
ちなみに言うと、私は賛成派である。実写版のジャスミンは、総じてアニメ版に劣ると思いながら見ていたが、あの歌のシーンで巻き返したとさえ思った。
ただ、周りはなぜか否定派多数だ。
「あそこのシーンだけ違和感」
「なんで急に時が止まって歌い出したの」
「魔法でも使ったのかと思った」等々。
個人的にはあれはただの表現だから、周りが止まってもスローモーションになっても問題ない。歌が良ければよしかなと思う。ミュージカルらしさが詰まったシーンだと感じた。
周りと意見が違いすぎて映画館出たあと、分かりあえなかった
まとめ:ディズニーアニメとは違うが、実写版『アラジン』のファンもかなり多い
以上、ディズニー映画『アラジン』の実写版VSオリジナルアニメ版の比較レビューでした。
色々書いたものの、ディズニーの実写版シリーズの中で『アラジン』はかなり成功しているのではないか?と思う次第です。
スターウォーズと一緒でおたくはいつでも文句を言うが、「良作だ駄作だ」とワイワイ言い合うのが面白いのだ。
さあ、みなさんはどうですか?