ハルブランド行動の謎を最初から振り返る【力の指輪考察】ネタバレあり
ハルブランド行動の謎を考察
『力の指輪』、シーズン1最終話の結末にはびっくりしましたね!!そこで今日は改めて考察をしたいと思います。
ハルブランドの正体がわかった後、もう一度第1話から見てみると何が分かるか?
例えば、ハルブランドの行動にはこんな謎がありました。
- 漂流時に偶然一人だけ生き残れたのはなぜ?
- ハルブランドが語った自分の過去はホント?
- なぜガラドリエルはハルブランドが南方国の王だと思った?
- ヌーメノールに行ったのは偶然?
- 南方国でガラドリエルやヌーメノール人と一緒に戦ったのはなぜ?
- アダルとハルブランドの関係は?
- 合金についての知識があったのはなぜ?
ガラドリエルとの出会いから細かい発言まで……振り返ると、すべてが怪しいのデス。彼は最初から計画してガラドリエルに近づいたのか?
『力の指輪』2周目を観て、ハルブランドの計画を考察します!
第1話「過去の影」ガラドリエルの回想

第1話、ハルブランドは未登場。ただし、最終話でハルブランドがサウロンだと分かってからの「回想シーン」では第1話も大事な役割を持っていました。第1話はガラドリエルに注意してみましょう。
ガラドリエルと兄の回想に注目
エルフたちと共に故郷ヴァリノールを目指すが、心に迷いが生じるガラドリエル。亡き兄の言葉を思い出していた。
“闇に触れるまで分からないこともある”
ガラドリエルはヴァリノール行きの船から海に飛び込む。
サウロンは妖術使いのはず
“闇に触れるまで分からないこともある”を亡き兄の言葉として自分の指針にしたガラドリエル。信念を持って海に飛び込むガラドリエルはかっこよかったね。
しかし、最終話を見たあと振り返ってみると、これは本当に兄の言葉……?サウロンの言葉かもしれない。という疑問が湧いてくる。
サウロンは妖術使い。この回想シーンは、ガラドリエルの本当の記憶ではなく、サウロン(ハルブランド)が改ざんした記憶の幻覚という可能性も見えてきます。
第2話「漂流」ハルブランドとガラドリエルの出会い

第2話は、ハルブランドとガラドリエルが出会い、ハルブランドの過去が語られました(※カラクリあり!!)
仲間を見捨てたハルブランド
まず、ハルブランドとガラドリエルの出会いより。
ガラドリエル、ハルブランドと仲間たちの乗った船がワームに襲われる。ガラドリエルは自力で泳いで逃げ、ワームが去ったあと戻ると、ハルブランド一人だけが生き残っていた……。
漂流は偶然か?計画か?
ハルブランドは仲間を見捨てたのか?そもそも仲間だったのか?
ガラドリエルが「仲間を見捨てた人なんて信用できない」と言っていたが、状況的に仕方なかったと返答される。生死の危険があったんだからそりゃそうだよね……と私も納得したが、やっぱり、一人だけ(そして都合よくガラドリエルも)生き延びれたこと自体が不自然である。
ワームの出現自体がサウロンの仕業だったのかもしれません。
ハルブランドの過去
次は、その後、ハルブランドが語った過去について。
- ハルブランドは、漂流していた原因について、簡潔に「オークだ」と答えた。
- ガラドリエルは、ハルブランドの首飾りを見て、国王だったのか?と尋ねる。ハルブランドは「王はもういない」と答える。
以上の流れから、ガラドリエルはすべてを察し(※ここがポイント)、同じくサウロンに恨みを持つらしいハルブランドに少し共感し始める。
ハルブランドは何も語っていない
ハルブランドが「オークに故郷を追われた国王」だと言った(ようで言っていない)件。
ここに第2話のカラクリがある。ポイントは、ハルブランドは一度も何も明言していないこと!ペンダントを見て国王だったと判断したのはガラドリエル。ハルブランドがサウロンに恨みを持つ同じ境遇の者だと勘違いしたのもガラドリエル自身。
つまり、ハルブランドは匂わせただけで嘘はついていないのです。あくまでガラドリエル主導の流れを作ったんですね。
第3話「アダル」ヌーメノールに入国
漂流していたハルブランドとガラドリエルは、エレンディルに救助され、ヌーメノールに入国しました。
ハルブランドの強さが判明
ヌーメノール人に対して高圧的なガラドリエルに比べ、ハルブランドは低姿勢を貫く。が、ヌーメノール人の肩からギルドの紋章を盗み、結局乱闘になる。ハルブランドは屈強な男性数人を一人でボコボコにして投獄される。
ハルブランドは南方国の王か?
女王の前でハルブランドは「生まれは南方国」と公言する。
ガラドリエルはヌーメノールの書館で、2点を突き止める。
- ハルブランドのペンダントが南方国の王紋であること
- サウロンの次のターゲットが南方国であること
ハルブランドはペンダントについて「死体から盗んだんだ、似合うかと思って」ととぼけるが、ガラドリエルは南方国の王に戻るべきだと主張する。
亡命した国=南方国であることが判明?
まずは、ハルブランドの異常な強さが判明。ただ者ではないことを証明した。
次に、第2話で語られた「国王かもしれないハルブランドが失ったらしい国」の名前が「南方国」だと特定された。
でもこれも同じカラクリで、ハルブランドが自分で言った情報は「生まれは南方国」だけで、あとはすべてガラドリエルが突き止めた。ハルブランドは肯定も否定もしていない。
今思えば、ジョークに聞こえた「死体から盗んだんだ」の方が本当だったような気さえします。怖

ちゃんたま
第4話「大きな波」ヌーメノールが出陣を決意
第4話は、ハルブランドの見せどころが少ない回です。
あらすじとしては、ガラドリエルは、ヌーメノールの摂政女王ミーリエルに「ハルブランドこそが南方国の失われた王」だと進言。ヌーメノールに南方国への援軍を求める。最初は拒否した女王だったが、予言にあった白い木の花が散った時、考えを改め、出陣を決意した。
あの花はヌーメノールの運命を暗示していたのでしょうか? それとも、それすらサウロンであるハルブランドの妖術で、ヌーメノールは嵌められたのでしょうか……? どちらもありえますが、どちらにしろ悲劇でしょう。
第5話「分岐点」気になる伏線ワード・アイテム
第5話あたりから、ハルブランドが怪しい動きを見せてきている気がします(2周目の感想)

ハルブランドは鍛治工だった
ハルブランドが鍛治師として剣を鍛え直す描写あり!(セリフのないシーンなので初見では見逃してました。)
第8話でケレブリンボールに巧みな助言をし、指輪を作らせる伏線ですね。
南方国王になるのを辞退する
ハルブランドを南方国王として復活させたいガラドリエル。勝手に話を進めたガラドリエルに反発するハルブランド。第5話では対立を見せる。
→ハルブランドは「王の座を自ら辞退している」のがポイントです。
短剣に興味を示すハルブランド
ガラドリエルとの口論の中で「その短剣は誰のだ?」「誰を殺された?」と少しずつガラドリエルの過去を聞き出していくハルブランド。
ガラドリエルの境遇を知り、「かわいそうに」とガラドリエルに同情を見せ、南方国の紋章を眺め……。
ガラドリエル兄の短剣が必要だった
初見では、ガラドリエルの過去を知ったハルブランドがついに南方国王に復活する決心を固める……というちょっと感動的なシーンでした。
ハルブランドがサウロンだと分かった2周目では、ハルブランドがずっとガラドリエルの短剣(兄の形見)に注目していることに注意!
サウロンは、指輪を作るのに、エルフの技術とヴァリノールの金銀が必要だった。そして、サウロンはガラドリエルの兄を最初から知っている。つまり、ここで「ガラドリエルの兄」「短剣」について、ガラドリエルに再確認したのである。
ハルブランドとして見ていた時は感動シーンだったのに、サウロンだと分かってから見ると恐怖シーンになっていました……。
第6話「奈落」【未だ謎】アダルとハルブランドの関係は?
第6話は私の中では未だ謎です。
ハルブランドはアダルを憎んでいる?
南方国の戦いで、ハルブランドとガラドリエルはアダルを追いつめた。ハルブランドは「俺を憶えているか?」とアダルに問う。アダルは「知らない」「大事な人でも殺されたか?恋人か?息子か?」のように挑発し、ハルブランドは怒りからアダルを殺そうとした。ガラドリエルがそれを制す。
アダルはサウロンを恨んでいる?
アダルはオークではなく、闇の拷問によって醜く歪められた元エルフ=ウルクだという。アダルは、オークを率いているが、このことでサウロンを恨んでいるらしい。
アダルとサウロンは仲間じゃないらしい
アダルの件については、最終話まで見終わったあともまだ疑問が残ってしまう。
アダルはオークを率いている+ハルブランドは実はサウロンである=『ロード・オブ・ザ・リング』の世界線から普通に考えると、この二人は同じ陣営ではないのか?
しかし、二人は互いを心から憎み合っているようだし、アダルに至ってはハルブランド=サウロンだと結びついてもいない。
ハルブランドは常にミスリードを招くような意味深発言をしてきたが、アダルへの憎しみは嘘でないように見える。
ガラドリエルの思想
余談だが、このシーンでは、ガラドリエル側の問題も明らかに。
ガラドリエルは拷問された元エルフのアダルに対し「出来損ない」と言い、生きる権利を認めない差別思想を持っていることが判明した。このシーンに限ってはアダルがかわいそうにさえ見えた。
まとめると、第6話、「アダルとサウロンの関係」については、シーズン2に持ち越されそうです。
また、この回では、ガラドリエルとハルブランドの恋の予感?描写もありました。この時点では、ハルブランド=サウロンと明らかになっていないため、ガラドリエルとハルブランドは、『ロード・オブ・ザ・リング』のアルウェンとアラゴルンのように恋に落ちるのだとミスリードを呼びました。
第7話「目」ハルブランドの最終目的
第7話は南方国の悲劇の後で、ハルブランドの活躍はないものの、次への足がかりがありました。
ハルブランドは、最後の最後に重傷を負って登場。「エルフの医療が必要な傷」を負っているため、ガラドリエルはハルブランドをエルフの国へ連れていくことにした。
実はこの「エルフの国に行くこと」がハルブランドの最終目的だったと今になれば分かります。
第8最終話「合金」ハルブランドの正体!
さて、ここまで長かったけど。衝撃だった最終話をもう一度振り返ります!
ケレブリンボールに助言
エルフの国で治療を受けたハルブランドは、ケレブリンボールにミスリルの加工について助言をする。ハルブランドは助言を「贈り物」という特殊な言い方をした。また、ケレブリンボールはハルブランドから助言を得た後、「肉体を超える力」を作ると発言し、ガラドリエルの不審を招く。かつてアダルから聞いた言葉だった。
南方国に王はいない
ガラドリエルが調べたところ、南方国の王の血は既に途絶えていた。つまり、ハルブランドは南方国の王なんかではなかった!(なぜ今までちゃんと調べなかった……
ハルブランド(サウロン)の正体明かし
以下が第8話で、ガラドリエルがハルブランドを問い詰めた時、ハルブランド自身から語られた弁解である ※セリフは要約
- 【南方国の王紋について】
ガラ「王紋を持っていたのはなぜ?」
ハル「『死体から取った』と言ったろ?」
→確かに言った - 【ヌーメノールを南方国に出陣させた件】
ガラ「なぜ南方国に出陣を?」
ハル「俺は嫌がったが君が女王を説得した」
→確かにガラドリエルが勝手に強行したし、ハルブランドは辞退していた - 【一緒に戦った件】
ガラ「共闘したのはどうして」
ハル「君の敵は俺の敵でもある」
→オークのこと? いや、サウロンの前の支配者モルゴスのことか?
さらに、ガラドリエルは、兄とハルブランドの幻覚を見る。幻覚の中では次のように説き伏せられる ※セリフは要約
- 兄「サウロンは中つ国を滅ぼすのではなく癒すんだ」
- ハルブランド「モルゴスの下で罪を犯したが、モルゴスが滅んだ今、俺が世界を癒す」
- 最終的にハルブランドはガラドリエルに「女王にしたい」「一緒に中つ国を支配しよう」と、告白ともとれる誘惑をした。
幻覚の中に出てきた兄は結局サウロンが見せたものなので、上記全部がハルブランド(サウロン)の言い分である。
【オススメの楽しみ方】『力の指輪』は2周観るべき!!
以上、『力の指輪』シーズン1の第1話〜第8話まで、ガラドリエルとハルブランドのあらすじを中心に振り返ってみましたが、いかがでしたでしょうか?
ガラドリエルが見た(見せられた?)幻覚の中では、第1話〜8話までのシーンが違う形で蘇っていたので、改めて見てみると面白いですね。
「ハルブランドがサウロンだったなんて!」と、シーズン1最終話に衝撃を受けた人は多いと思います。(私も衝撃を受けたうちの一人……。)『海外ではサウロン=ハルブランド説がある』と聞いたことはあったのですが、半信半疑だったし、何よりあまり信じたくなかったので見なかったことにしました(笑) ハルブランドはどう見てもヒーローの見た目だったから……。
でも、知った後、ガラドリエルの幻覚を思い出しながら、2周目を観ると、全然違う見方ができて、それはそれで面白かったです!!ネタバレ後も楽しめるのは『力の指輪』シリーズのいいところだと思いました!
『力の指輪』は絶対に2周めを観るべき!!

ちゃんたま
【『ロード・オブ・ザ・リング』関連の記事】はこちら▽