指輪はなぜフロドに?サムじゃだめな理由『ロードオブザリング』考察

フロドと指輪映画『ロードオブザリング』の感想には「フロドがいらつく」「サムに渡せ」なんて意見もあるみたいですが、今日は、あえてフロドの弁護をしてみたいと思います(笑)

「なぜフロドが指輪を持つべきなのか?」その疑問に答えます!

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ちゃんたま

ちゃんたまは、原作も読んで研究しています。

指輪をフロドが持っている理由

まず、大前提として「なぜフロドが力の指輪を持っているのか?」
これは映画でも語られたので、さくっといきますね!

ビルボがフロドに指輪を引き継いだから

答えはこれ!ビルボが若かりし頃、ゴラムが落とした指輪を拾いました。(このエピソードは映画『ホビット』で見ることができます)ビルボは指輪の誘惑に何十年も魅了されてきましたが、ついにフロドに譲ることにしたのです。

……とはいえ、サウロンが狙っているので、ただの「遺産」としてフロドがもらっておくワケにもいかない。ってことで、この指輪の運び手はみんなで決めることになります。

指輪の運び手にホビットが選ばれた理由

指輪はフロドの手に渡ったものの、サウロンに渡さないために「誰が破壊するべきか?」指輪の運び手を決める会議が開かれました。

ガンダルフは最初からホビットが適任だと思っていますが、それには理由があります。

ホビットの才能

ホビット庄

ホビットは「忍びの者」

ホビットの身体的特徴は、小さな身長と大きな足。足にはふっかふかに毛が生えていて、その毛のおかげで足音をほとんどたてずに歩くことができるんです。

小さな身長で目立たないばかりか、足音も消せる。つまり、忍びの旅には適任なんです!

ホビットは無欲

ホビットは平和主義で、権力に興味がありません。欲と言えば、食欲くらい。戦争より食べて寝ていたい種族なのです。

ガンダルフじゃだめな理由

魔法使いガンダルフ

ガンダルフは賢者で魔法使い。
「賢いんだから指輪の誘惑になんて負けないんじゃないの?」と思ったら大間違い。指輪の誘惑と戦うシーンがあります。「頼むからわしを誘惑せんでくれ」と……まさかの断固拒否w

白の魔法使いサルマンが闇落ちしたとおり、魔法使いにはパワーを求める一面があるのです。

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くません

ガンダルフは「自分が適任でないことを知っている」のがサルマンとの違いだね。

人間の王アラゴルンはだめな理由

人間は論外です! ボロミアはいいやつだったけど誘惑に負けてしまった。指輪物語世界で、人間は「一番欲深い種族」とされています。

というか、そもそもアラゴルンの先祖が誘惑に負けたせいでこんなことになった。

アラゴルンは人間の中では高潔で信頼できる人物ですが、先祖の行いを知っているので、自分が指輪を持とうとは決してしませんでした。

優秀なエルフでもだめな理由

レゴラスをはじめとしたエルフはチート級に優れた種族です。でも、エルフも絶対だめ。

魔法使いが適していないのとほぼ同じ理由で「力がもともと強い者が持つと指輪はより恐ろしい力を発揮する」からです。

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ちゃんたま

つまり、どの種族もだめだから大穴予想のホビットにガンダルフは賭けてみたってこと

フロドよりサムの方が適任説はホント?

ホビットが適任っぽいのは説明しましたが、最後に残る疑問は「なぜホビットの中でもフロドだったのか?」ですよね。

忠実なサムではだめだったのでしょうか?

指輪はサムじゃだめだったのか?

ロードオブザリングのサムとフロド

映画だとたしかにサムの方が誘惑に強そうに見えますが、原作にはこんな記述があります。

一粒の勇気の種子は、たとえ一番でぶのホビットの中にさえ隠されていて……(中略)……絶体絶命の時に育っていくものです。
フロドはたいしてでぶでもなく、また、たいして臆病でもありません。……(中略)……
ビルボもガンダルフも、フロドのことをホビット庄でも一番優秀なホビットだと考えていたのです。

原作のサムワイズ・ギャムジーとは

サムはでぶだからダメだった?(笑)

そういうわけじゃないと思うんですが、原作ではそうともとれるね……(笑)

サムはフロドより臆病である

真面目に言うと、サムは、本質的にフロドより臆病だからです。

映画ではサムの良い面がクローズアップされています。それも本当のことなのですが、原作ではもっともっと長いこと旅していて、サムはフロドより臆病な気質です。帰りたがることも多々。

でも、主人フロドへの忠実心でサムは勇気を発揮します。

サムは、フロドの補佐をしている時が一番最強で、自分が主人じゃだめなのです。

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ちゃんたま

いい奴なのだけは原作でも保障付き!

【結論】なぜ指輪の主にフロドが選ばれたのか

『ロード・オブ・ザ・リング』力の指輪ホビットの真価は「いざとなった時の勇気」を秘めていること。

ビルボもフロドも、友人のサム・メリー・ピピンも例外ではありません。

その中でも、一番勇敢な素質を持っていると思われていたのがフロドです。

ガンダルフは、フロドのことを「もっとも優れたホビット」と評価しています。

指輪の主にフロドが選ばれた理由をまとめると、大きく2つ。

  1. 指輪の誘惑に抗える者は存在しない
    だから、誘惑により強く、かつ、誘惑されてもよりマシな結果になる者が最適である。それは権力欲がなく、忍びに適し、平和主義のホビットである。
  2. ホビットの中でも一番勇敢なのがフロドである
    ガンダルフとビルボ、そして友達のサム、メリー、ピピンが全員が「フロドが適任」と思っていた。友人たちはあくまでフロドの補佐として旅の仲間に加わった。

「無欲なサムのが適任なんじゃないの?」っていう疑問はわかる気もするんですが、

そもそも、フロドが行かなければ、サムもメリーもピピンもそんな危険な旅に行かなかった。

だから、フロドよりサムが適任なのでは?って問い自体、サムから言わせたらナンセンス。「ご主人のフロド様になんてこと言うんだー!」って話なのです。

こんな感じで、ご納得いただけましたでしょうかっ?

『ロード・オブ・ザ・リング』より「指輪の持ち主に適しているのは誰か?」考察でした。

参考文献:
『指輪物語 旅の仲間』
J.R.R.トールキン/ 訳:瀬田貞二&田中明子

▽ちゃんたまの『ロード・オブ・ザ・リング』考察記事はこちら▽

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2023年4月11日読書ノート,映画考察,魔法界まとめ

Posted by ちゃんたま