サノスの指パッチンが実際に起こったらどうなるのか?|アベンジャーズエンドゲーム考察

この記事は約6分で読めます。

サノスが目指した理想の世界

サノスの指パッチンとは;全宇宙の生き物の数を半分にすること。生物の数を分け隔てなく半数にする。指パッチンした瞬間、半数はすぅっとチリになって消える。
サノスは信念に従い、この指パッチンを実際に行った。サノスの目的は何だったのか?
今回は「サノスの指パッチンが実際に起こったらどうなるのか?」真面目に考察していくぞ!

なぜ?サノスの指パッチンの目的

サノスの指パッチン

サノスは、指パッチンの目的を「宇宙の均衡を取り戻すため」と言っている。
限りある資源を奪い合わないため、多すぎる人口を減らして、平和な世界を作るのだそうだ。

サノスの理論は正しい?

サノスはサノスなりの信念があって動いていて、ただの”凶悪犯”とは言えない面もある。

「人類は環境を破壊してきたし、そのうち人口過多でエネルギー不足になるから、サノスのアイディアは理論的には正しい」という意見もあるだろう。

しかし、理論がどうであれ、サノスの独断で宇宙の半数を消すのは明らかな暴挙である。

サノスは昔、「指パッチン」の理論を銃で行っていた。勝手に他の星に行って、半分の人をランダムに選び、並ばせて撃つのである。おそろしや……。

だから、そのアナログな方法に比べれば、痛みもなくすぅっと消える「指パッチン」はサノスに言わせれば”慈悲”なのだそうだ。

もし、実際に「指パッチン」が起こってしまったらどうなるか?

『空想科学読本』で有名な柳田理科雄先生が解説してくれていたので、本片手に考えてみよう。

マーベル空想科学読本

もし指パッチンが起こったら……


まず、起こるのは、生き物の絶滅。単純に数が半分になるというのもあるが、深刻なのは、オスとメスが出会う可能性が減ることにあるという。

オスとメスが出会わなくなる=繁殖の機会が減る=子孫が残せなくなる

数年後には減らした半分以上に影響が出てくるという理論だ。

指パッチンされた直後の悲劇

次は、指パッチンされた直後になにが起こるかを想像してみよう。

  • 指パッチンされた直後、事故が多発。今走っている自動車の運転手が半分になる。半分の車が急に停車する。飛行機や電車も同じだ。
  • その事故による怪我人、死者も出る。減らした人数以上の損害が明らかに出るだろう。
  • でも、救急隊や医療従事者も半数が消えている。怪我人を運ぶ人はいないし、運べたとしても治療してくれる人が足りなくなる。

現実に起こってしまいそうな恐怖のシナリオである。

指パッチン数年後の影響

そして、指パッチン数年後の影響についても考えてみよう。

  • 警察や司法制度ももちろん半分になっている。裁かれなくてありがたいなどと言っている場合ではない。混乱をいいことに犯罪者が増え、巻き込まれる可能性も高まる。
  • 地球の国土は変わらないのに人数が減っている。ただでさえ『ズートピア』のナマケモノばりに遅い行政が追いつくまでに数年はかかりそうだ。「しばらくお待ちください」の嵐である。まともな生活は送れなくなる。
  • テレビキャスターも取材する記者も半分になるから、ニュースもしばらくは流れない。
経済的なパニックも続く。
  • 近年のコロナ禍では、映画の撮影や上映ができなくなって供給が止まった。が、指パッチンでは、俳優や監督が半分になっているから、もはや映画の続編は不可能。大好きなアベンジャーズもやらなくなる。
  • そんな時は夢の国でも行きたいところだけど、ディズニーランドとディズニーシーもキャストが減り、運営できない。きっと1日交代で片方ずつ開園するとかになるだろう。大好きな夢の国にも行けない!
  •  いや、その前に経営者や従業員、お客さんが不在になったお店が軒並みつぶれて、どこの街もゴーストタウンになってるのではないか。

ああ、なんてこと……。

サノスの指パッチンは「生き物を半数にすること」だが、実際には半数以上の大損害が出ると予想される。

サノス曰く、「そのうち均衡がとれた世界になる」ということだが……。

話が違うじゃないサノスちゃん!

そして、一番恐ろしい話。大切な人たちを失った人たちが立ち直れるだろうか。

指パッチンで4人家族が全員生き残る可能性は?


映画『エンドゲーム』でホークアイは、不運にも家族全員を失っていた。自暴自棄になり、闇落ちしてしまった。

指パッチンされたとして、自分がこうならない可能性がどれだけあるのか?

仮に4人家族だったとして、家族全員が生き残る可能性を考えてみよう。

  • 1人が生き残る可能性が1/2
  • 恋人と自分両方が生き残る可能性は、1/4
  • 3人家族が生き残る可能性は1/8。4人家族なら全員生き残る可能性はなんと1/16
  • 友達6人グループがみんな生きている可能性は1/64
  • その全員が生きている可能性は1/1024
    (※自分+恋人+家族3人+親しい友達5人で仮に10人としても)

これは無理ゲーである……。

家族、友達、恋人すべての可能性を考えると、大切な人を一人も失わない人はほとんどいないのだ。

実際には戻しても大惨事になるのでは?

さて、サノスの指パッチンがどれだけこわいかを見てきた。

映画『エンドゲーム』では、アベンジャーズのおかげで指パッチンは取り消され、元の世界に戻っている。

果たしてそれは本当にハッピーエンドなのだろうか?

人が半数消えた直後、事故が多発しパニックになると学んだ。ということは、全世界の半数が急に戻ってきたら、それはそれで大パニックが起こるのでは?

指パッチン戻し後に起こるシナリオ

  • 人が元いた場所に急に戻る、その場に居合わせた自動車やらとまたまた事故が勃発。
  • 仕事のポジションがすでになくなっている。職場ごとつぶれてなくなっている可能性も高い。
  • 恋人や結婚相手のもとに帰ったら、相手には新たなパートナーがいるかもしれない。

多くの人が無職やホームレスになり、行き場をなくして彷徨うことになるだろう。精神的な苦痛も大きい。

アベンジャーズがしたことは正しかったのか?

映画『アベンジャーズ エンドゲーム』

©️MARVEL 公式サイトより

映画『エンドゲーム』で指パッチンを戻したことを無意味だったとは言えない。もし、自分が恋人を失っていたら、どんな状況であれ戻ってきてほしいと願うだろうから。

トニー・スタークの大ファンだし、彼の犠牲がムダだったとも思いたくない。

でも、5年も経てば世界は変わる。指パッチンを戻した後にもトラブルが待っているのはやはり事実なのである……。

フェーズ4では指パッチン後の世界が描かれる

すでに『スパイダーマン/ファーフロムホーム』、ドラマ『ワンダヴィジョン』『ファルコン&ウィンターソルジャー』『ロキ』では、指パッチン戻り後の複雑な世界が描かれている。

今後フェーズ4では、指パッチンから戻った人たちの葛藤や、さらに混乱した世界が大きなテーマになるだろう。

良い子は指パッチンなんてやめましょう。

以上、ちゃんたまランドのマーベル考察でした。

またね〜!

参考文献:『MARVEL空想科学読本』 柳田理科雄 / 講談社
ありがとうございました。

▽そのほかのマーベル考察はこちら▽

タイトルとURLをコピーしました