駄作だと思ってた続編ポカホンタス2が実話だった件!|ディズニープリンセスの歴史
さて、さっそく本題

くません

ちゃんたま

くません

うさたま
A2:何それ?知らない。

ちゃんたま
そうなんです。ハッキリ言って駄作という印象しかなかった続編の『ポカホンタスII/イングランドへの旅立ち』。
しかし、前回の『ポカホンタス』どこまで実話?|実在したディズニープリンセスの真実で史実を調査するにつれ、新たな事実が浮かび上がってきました。
『ポカホンタス』よりも駄作だと思っていた『ポカホンタス2』の方が史実に近かった!
今日はそんな『ポカホンタスII/イングランドへの旅立ち』の考察です。
実は『ポカホンタス2』が本当の話?
見たことない人のために『ポカホンタス2』のあらすじを超簡単に解説しよう。
『ポカホンタスII/イングランドへの旅立ち』のざっくり紹介
- タイトル通り、ポカホンタスが村を出てイングランドに行く。
- ポカホンタスはイギリスで文明生活を経験。
- 最終的に、ジョン・スミスではなく、ジョン・ロルフという新しく出てきた他の英国青年を選ぶ。
「めちゃくちゃだなあ」「続編らしい奇抜なあらすじだなあ」「ジョン・スミスからのロルフってwww」と思っていたが、なんと、ポカホンタスが英国へ行くのは史実だった……!
そして、なんとなんと、ジョン・ロルフも実在していた……!!うそだろ……。
事実は小説より奇なり。
唐突に思えた設定は、続編だったからではなく、ポカホンタスの人生がそれだけ壮絶だったということだった。
ポカホンタスは誘拐された?
- ディズニー版『ポカホンタス2』あらすじ:英国から貴族のジョン・ロルフがやってきて「英国王の統治でこの場所で共生したいから、英国に来て下さい」とポウハタン族曹長に頼む。勝手な申し出に村人達は反対したが、ポカホンタスは運命の声を聞き、父の代わりに村から英国へ旅立つ。
- 史実:次第に争いの絶えなくなった両陣営は互いの人質をとったりしていた。ポカホンタスも捕虜にされ、曹長の娘ということで交渉を有利にするために誘拐され、英国に連れて行かれた。
実際のポカホンタスは自ら英国に行ったわけではなく、誘拐されたか村の犠牲になったかで、政治利用のために英国へ連れて行かれた可能性が高いとのこと。
この時、14〜16歳だったと推定されている。
恋人のジョン・スミスは死んだ?

- ディズニー版『ポカホンタス2』あらすじ:ポカホンタスは、ジョン・スミスが死んだと噂に聞かされている。代わりのように、ジョン・ロルフという青年が登場し、二人の間に恋心が……。しかし、ジョン・スミスはラドクリフに嵌められただけで生きていて、後半にポカホンタスと再会する。
ラドクリフ総督は恐らくフィクションですが、「死んだと思っていたジョンスミスが生きていた」というのは史実通り。
つまり、現実でもポカホンタス2でもジョン・スミスは「死んだと思われていたが生きていた」。そして、前回解説したように晩年になってからポカホンタスとの美談を語ったというわけである。

また、ジョン・ロルフというキャラクターもちゃんと実在する。
ポカホンタスはジョン・ロルフと結婚した
- ディズニー版『ポカホンタス2』あらすじ:次第に惹かれ合うポカホンタスとロルフ。死んだと思っていたスミスが戻ってきて無事再会を果たすが、ポカホンタスが最後に選んだのはロルフの方だった。
- 史実:捕虜になっている間に、男やもめだったタバコ商人のジョン・ロルフがポカホンタスを見初める。ロルフはポカホンタスと結婚し、ポカホンタスは名前を「マトアカ」から「レベッカ・ロルフ」という英国名に改名する。
上記の事情から、ポカホンタスは、キリスト教に改宗し、名前も英国名になっている。
ポカホンタスが自ら選んだ道だったのか?
状況的に結婚は強制だったのか、それとも愛があったのか?
ポカホンタスの晩年
話が前後したが、ポカホンタスはこうして渡英し、イギリスで子供をもうけた。イギリスでは「ネイティブ・アメリカンの姫」として迎えられたらしい。政治的なマーケティングに利用された一面はあるものの、結婚したことでポウハタン族とイギリスの間に少しの間和平ももたらしたのも事実。ポカホンタスはこうして歴史に名を残す有名人になった。
「晩年」と書いたが、正確には、ポカホンタスは21歳の若さでこの世を去った。
ここまでたったの21年ですべて経験したのだから、どれほど壮絶な人生だったか。
ポカホンタスは幸せだったのか?
ここからはちゃんたまの感想です。
ポカホンタスが幸せだったのかどうかは今となっては分かりません。複数の資料を参照しましたが、どちらともとれるというのが正直な感想です。個人的には、誘拐の後からちょっと辛くなってしまいました。
今回の考察でポカホンタスの人生を知り、「彼女は幸せだったのか不幸だったのか」同じ女性として考えてしまいました。
ポカホンタスに選択の余地が少しもなくて強制だったのだとしたら、やはり可哀想だった。二十歳前の子供の人生としては想像を絶するでしょう。
でも、もしポカホンタスが映画通りの進歩的な女性で、プラス、あの状況に自分の選択の余地がわずかにでも含まれていたなら、幸せだった可能性もあります。
「ポカホンタス=お転婆なイタズラっ子」というあだ名通り、好奇心が強い子なら、結果的に村を出て世界を見る人生は合っていたはず。何より最終的に英国人のジョン・ロルフと結婚したので、妻になっている以上、英国でそれほどひどい扱いではなかったのではないかと思います。親善大使的な役割で歓待されて英国では人気だったようだし、そう思いたいです。
ちなみに、これは事実として、
彼女にはトーマス・ロルフという子供がいて、子孫たちは今もポカホンタスの血筋を誇りに思っているそうです。
これからの映画『ポカホンタス』の楽しみ方
映画と歴史は違いましたが、映画のポカホンタスは間違いなく進歩的で強い女性でした。映画通りの性格だったら実際の人生も彼女は自分の力で楽しんでいたはず。
ディズニー映画『ポカホンタス』は、理想の世界として見ようと思います。「ポカホンタスが二十歳でジョンスミスと出会っていたらこんな人生だったかもしれない」というifの世界を楽しむのも素敵かも。
あと、今回で『ポカホンタスII/イングランドへの旅立ち』の評価が変わったのも大きい。
全然評価してなかったけど(←続編嫌いなやつ 笑)、今度改めて観たくなりました。

今回はちょっと真面目なまとめでしたけども、いかがでしたでしょうか?
ポカホンタス考察第1回目はこちら 『ポカホンタス』どこまで実話?|実在したディズニープリンセスの真実
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書籍:「アメリカを作ったもの」ウィリアム・M・トワデル、「アメリカ人の物語」西川秀和
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