こんにちわんわん物語。ディズニーアニメーション大好きな著者です。
今回は少しシリアスな映画考察になります。ハッピーエンドが売りのディズニー作品ですが、実はハッピーオープニングはそう多くないことに気づきました。
ディズニーのヒーロー・ヒロインたちは(ミッキーも)、両親がいないケースが多く、意外にみんな苦労しています。中には物語の中で、それも冒頭で、大切な人を失う「喪失」「別れ」「悲しみ」が描かれるケースもあるのです。意外にも多かったので一覧にしてみました。
夫婦愛は永遠に『カールじいさんの空飛ぶ家』
- 亡くなる人:カールじいさんの妻エリー
- 原因:病気、老衰
- カールとエリーは幼なじみから結婚。幸せな新婚からエリーの入院までが描かれる冒頭は、音楽と映像だけで泣けます。実はこの二人、子供もなくしているような描写が出てきます。
生き残った奇跡の子『ファインディング・ニモ』
- 亡くなる人:マーリンの妻(ニモの母親)、ニモの兄弟たち
- 原因:自然の理。魚に襲われた
- ニモが生まれる前の出来事で、ニモは最初から片親の一人っ子として生まれます。マーリンは、妻と子供たちを失った経験があるので唯一生き残ったニモに対し過保護になってしまうのです。
ゴリラに育てられた『ターザン』
- 亡くなる人:ターザンの両親、ゴリラの母親の実の子供(子ゴリラ)
- 原因:自然の理。どちらもヒョウに襲われた
- 親をなくしたターザンと子をなくしたゴリラのお母さんの間に親子愛が芽生えます
雪だるま作ろう?『アナと雪の女王』
- 亡くなる人:アナとエルサの両親
- 原因:船の事故
- 両親の死後、塞ぎ込むエルサと「雪だるま作ろう?」と扉の前で泣くアナ。二人だけでこれからどうしたらいいのかというアナの不安が歌われています。
熊は猛獣か愛のシンボルか『ブラザー・ベア』
- 亡くなる人:長男シトゥカ、熊のお母さん
- 死因:決闘中の事故
- 主人公を熊から守ろうとして亡くなった兄、人間から息子を守ろうとして亡くなった母親。主人公のキナイは熊を猛獣だと決めつけていたが、熊からしたら人間こそが猛獣だった。コーダの母親の命を奪ったキナイはコーダの兄になる。ブラザーベアとは深いタイトル。
悪人が感じた神の怒り『ノートルダムの鐘』
- 亡くなる人:カジモドの母親
- 原因:フロローが少数民族であるロマを追い詰めた
- ディズニー映画の中でもかなりシリアスな『ノートルダムの鐘』。カジモドの母が亡くなったのも事故というよりは迫害。一瞬罪の意識を感じたフロローはカジモドを引き取り育てる。そこに新しい愛が生まれ……ないのが前者『ブラザーベア』との違いで、こわいところ。フロローの魔女狩りも恐ろしいが、悪人が神の怒りを感じる宗教的な心理描写もまたこわい。
心優しい兄が作った優しいロボット『ベイマックス』
- 亡くなる人:主人公ヒロの兄でベイマックスの発明者タダシ
- 原因:火事、人助け
- 弟思いの優しいお兄ちゃん、発明品も人々の健康をケアする優しいロボットのベイマックス……人格者すぎるお兄ちゃんの喪失は最後までずっと悲しい。最期まで人助けなんて。 作品の中で、タダシとの別れは大切な役割を果たしてはいるけど、どうしても必要だっただろうか? 結局、火事が事故ですらなく、教授に仕組まれたものだったと考えると割りが合わない。それくらいタダシはいいキャラクター。
王よ永遠に幸あれ『ライオンキング』
- 亡くなる人:シンバの父・ムファサ
- 原因:陰謀
- ライオンキングのムファサについては、冒頭での喪失というより、むしろ、ストーリーの主線かもしれない。ただ、事故ではなく故意による死去で、スカーのやり方も怖かったので、印象的である。
- 「王よ、永遠に幸あれ」とはスカーの台詞。小さい頃は眠れなかった。
エイになったおばあちゃん『モアナと伝説の海』
- 亡くなる人:おばあちゃん
- 原因:老衰
- 挙げてきた中で一番良い死。おばあちゃんはモアナを送り出してから老衰で天国に行き、エイになってモアナの出航を祝福する。
- 一番美しく、良い意味で悲しくない、納得出来るお別れだった。
ディズニー映画冒頭のお別れシーンで一番怖いのは、やはり故意による『ノートルダムの鐘』と『ライオンキング』。
他が必然で避けようがなかったのに対し、唯一悔やまれるのが『ベイマックス』。
反対に、美しく幸せなお別れを描いたのは『モアナと伝説の海』である。
以上、今回はディズニー作品の少し暗い側面「冒頭で別れや喪失が描かれる映画作品」をまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか?
ディズニー映画ではこのパターンが意外にも多く、気になったのでまとめてみました。