ディズニーランド「ジャングルクルーズ」ギャグみたいな誕生秘話

この記事は約6分で読めます。

東京ディズニーランドにもあるジャングルクルーズは、ウォルト・ディズニーが直接関わった名アトラクションです。2021年に実写映画化もされましたね!

古いアトラクションですが、なぜこんなに愛されるのか?

実は、ジャングルクルーズの制作は「制作自体がギャグ?」ってほど、たくさんの苦労やアクシデントが詰まっていました。

今回は、ジャングルクルーズの制作秘話、トラブル、ウォルトの想いなど、ジャングルクルーズの裏話をた~っぷりお届けします!

ウォルトディズニーの無茶ぶりで砂漠にジャングルを作るハメに?

映画「アラジン」砂漠とジーニー

カリフォルニアは砂漠状態だった

すでにアニメーションで莫大な成功を収めていたウォルト・ディズニーでしたが、次の夢はテーマパーク。

最初のジャングルクルーズ構想は、1950年代初頭。ほとんど砂漠とオレンジしかなかったカリフォルニアに「ジャングル作るぞー!」という計画でした。

どうやってカラカラの砂漠を木と水溢れるジャングルにしてボートを浮かべるのか??

この無理難題に、ウォルトが用意した製作期間は、たった1年でした!

アナログ作業すぎてビビる初代ジャングルクルーズ

棒きれで川のラインを引いたらしい

ジャングルクルーズのカンタンな作り方をご紹介しましょう↓

  1. 現場を視察に行く。<ウォルトさん「うん、見事に砂漠だ」
  2. スタッフがその辺の棒きれを拾って、砂漠に線を引く。<ウォルトさん「いいね!見えてきた!」
  3. ブルドーザーでその線に沿って川を掘っていく。<ウォルトさん「川の完成だ!」
ブログの著者
サイト管理人

え…アナログすぎィィィ!!

手違いで木がなくなる事件

前例もなかったジャングルクルーズ計画は、アクシデントだらけでした。

砂漠状態の土地に木を増やさないといけません。もともと生えていた木をできる限り残すのも大切な作業です。

そこで、残す木に緑・倒す木に赤のマークをつけました。

しかし、ブルドーザーの運転手が色弱で、木をすべてなぎ倒してしまったのです!!!

ギャグみたいな実話です。

木を高速道路から盗んだ!?

ブルドーザーで残すべき木を引っこ抜いてしまったので、とにかく木を増やさないといけません。

世界各地を回って本物のジャングルの木も集めましたが、まだまだ足りません。

そこでウォルトは、ロスに新しくできる高速道路の建設に目をつけました。高速道路建設でなぎ倒される木を、撤去される前日に行ってもらってきたのです。

何度も往復し、木を運び出したそうな。

ディズニーは木が欲しかったのですが、結果的には木を保護したそうです。

その日はトラックで大量の巨木が運ばれたとか。マジですごい発想ですね…。

ジャングルクルーズの水が緑色な理由

アトラクション・ジャングルクルーズ

東京ディズニーリゾート公式サイトより

動物好きだったウォルトは、『バンビ』や『ジャングル・ブック』などアニメ映画の制作を通して、ジャングルクルーズを作りたい!と思いました。

 最初は本物の動物を使おうとしていた

ウォルト・ディズニーは、当初、「ジャングルクルーズに本当の動物を」と考えていました。

でも実際、動物は夜行性だし、パフォーマンスしてくれるわけでもない。当時高い技術や衛生管理があるわけでもなく、すぐに無理だと分かりました。

そこで「ロボット動物を作るしかない!作ろう!」とウォルトさんは言い出しました。誰も作ったことないのにです。

当時の技術でフルロボットは無理だっ

当時の技術で自立できるロボットはムリでした。なんせ棒きれで川の線を引いていた時代ですから…。

そこで、オーディオアニマトロニクスで首だけのキリンや半分のカバなどを作りました。そして、ロボット部分を木で隠したり、水の中に機械装置を隠すことにした。

そう、ジャングルクルーズの水が緑色な理由は、水の中に沈めた装置を隠すためだったのです!!

最初は真面目すぎるアトラクションだった

ディズニーアトラクションの映画『ジャングルクルーズ』

Disney+ (ディズニープラス)公式サイトより

ジャングルクルーズは教育的なアトラクション

純粋に動物好きだったウォルトは、ジャングルクルーズを教育的なアトラクションにしたいと考えました。

当時、海外旅行なんてできなかった庶民のために「気軽に世界旅行を体験させてあげたい」という夢もありました。

ウォルトのジャングルクルーズ構想は大成功でした。砂漠の地に突如現れた本物のジャングルに人々は押しかけたそうです。

ギャグを盛り込んだのは、巨匠マーク・デイビス

ジャングルクルーズは最初こそ大盛況だったものの、みんな一回乗ったら満足してしまい、リピーターが少なかったそうです。

「リピーターが少ないってことはつまらないのでは?」と、ウォルトさんは悩み始めました。何度も乗りたくなるアトラクションを目指していたのです。

そこでウォルトは、イマジニアのマーク・デイビスに相談しました。

マーク・デイビスさんと言えば、マレフィセントやティンカーベル、クルエラなど魅力的な女性キャラクターをデザインしたことで知られる伝説的なアニメーターです。実はユーモアセンスもあり、ギャグを考える天才でした。

マーク・デイビスはウォルトにこう言いました。

「ジャングルクルーズはユーモアがなくてつまらないんですよ」と。

ウォルトは怒らず「なるほど~!じゃあ頼むわ」と対応しました。

マーク・デイビスという優秀なおじさんは、ジャングルクルーズにオヤジギャグを満載に盛り込みました

船長たちのセリフだけでなく、サイから逃げて気に登る探検隊や水遊びするゾウなど、楽しい動物たちを加えました。アトラクションは大きく改変され、今のようなジャングルクルーズになったのです。

当時考えた探検隊の人種ジョークなどが今は「コンプライアンス問題」とされてしまっているのが残念ですね。言い過ぎると、エンターテイメント性がどんどん減り面白くなくなっちゃうのに…。

とにかく、ジャングルクルーズは、教育的なアトラクションから「みんなが笑顔で乗る」アトラクションになったのです。

アトラクションには一度で見きれないほどのモノを置く

アトラクション・ジャングルクルーズ

東京ディズニーリゾート公式サイトより

マーク・デイビスの考えたプランは見どころが満載でした。満載すぎるのがちょっと問題でした。

マーク・デイビスはウォルトに相談しました。
「一つ問題があります。ゲストが一度で見きれるかどうか分からないんです」

ウォルト・ディズニーはこう答えました。
「最高じゃないか!一度目に見られなかったところを次来た時に楽しめる!!」

ウォルトにとって、「一度に見きれない」は最高のことでした。

ジャングルクルーズやホーンテッドマンション、カリブの海賊、カントリーベア・シアターなど昔から愛されているディズニーアトラクションには、一度で見きれないほど多くのものがありますよね。

バックグラウンドストーリー(※アトラクションの細かい裏設定や物語のこと)も多く、何度行っても楽しめる仕様になっているんですね。

ムファたま
ムファたま

最高だ・・・昔からあるアトラクションは最高だ

参考文献:映像「ディズニーパークの裏側~進化し続けるアトラクション~」

以上、ジャングルクルーズの制作裏話でした。いかがでしたか?

この他にもディズニーテーマパークのトリビアを書いているのでよかったらまた読んでくださいね!
Have a Nice Flight!

タイトルとURLをコピーしました