マーベルコミック・スーパーヒーロー誕生の歴史

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スーパーヒーロー達はどのようにして生まれたのか?アメコミはアメリカ大衆文化から生まれた神話の世界。誕生と盛衰にもアメリカの歴史と密接な関係があります!

今回出てくるマーベルキャラクターは、キャプテン・アメリカ、スパイダーマン、アイアンマン、ハルク。DCコミックからはスーパーマン、バッドマン、ワンダーウーマンを中心に取り上げます。

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1930年代 元祖アメコミヒーロー・スーパーマンからすべては始まった

  • スーパーマンの誕生(DCコミックス)
  • バットマン誕生(DCコミックス)

DCコミックスからスーパーマンが誕生。
スーパーマンは光としてバットマンは闇として世間の悪を滅ぼします。

1930年代のアメリカ:世界恐慌

世界恐慌。失業者は増え、犯罪がはびこっていました。スーパーマンの生みの親は、犯罪により父親を失くしたそうです。誕生当初のスーパーマンは社会の犯罪から市民を守っています。作者の経験と願いが込められていたのかもしれません。

1940年代 アメリカのアイコン、キャプテン・アメリカの誕生

  • キャプテン・アメリカの誕生(マーベル・コミック)
  • ワンダー・ウーマン誕生(DCコミックス)

キャプテンアメリカがついに誕生。星条旗を背負ったキャップはアメリカのアイコンとして、ワンダーウーマンは初めての女性ヒーローとして、兵士や市民を勇気付けました。

1940年代のアメリカ:第二次世界大戦

第二次世界大戦。スーパーマンやキャプテンアメリカは星条旗を背負い、国債の宣伝や兵士の募集もしました。今となっては人気キャラクターが戦争のキャンペーンをやっていたなんて……という気もしますが、時代が違えば正義も違う。コミックスの中でキャプテン・アメリカがヒトラーをやっつける姿は、国民や兵士を勇気づけました。兵士達はほぼ全員がコミックスを読んでいたそうです。

1950年代 あのスーパーヒーロー達が家庭的に!?

  • スーパーヒーロー消滅期。
  • ワンダーウーマンは料理やファッションに目覚め、男性との結婚を奨励。完全に「ただの主婦」にキャラ変えしてしまった。
  • スーパーマンもキャプテンアメリカも女性のパートナーを持ち、家庭の小さな問題を片付けた。

➡︎ スーパーヒーローたちはどんどん保守的になっていき、コミックも衰退しました。理由は二つ。一つは、第二次世界大戦が終わり戦うべき敵がいなくなったこと。もう一つは、コミックスに課せられた表現の規制です。

1950年代のアメリカ:理想的な家庭生活

戦争が終わり、アメリカ政府は「理想的な家庭生活」を推奨しました。
反面、新たに始まった米ソ冷戦により、政治批判が危険視されるようになりました。そのうち、若者に人気のあったコミックスの表現にも規制が入るようになったそうです。血の描写は禁止され、政府高官の汚職をほのめかすのも禁止されました。(戦争の時はCMに使っていたくせに、必要なくなったら危険視するなんて……)

1960年代 科学の力で人気キャラクターが続々誕生

人類の興味は、宇宙と科学へ!1950年代に衰退しきっていたスーパーヒーロー達も「科学の力」というスーパーパワーを手に入れ、新時代のキャラクターが続々生まれます。

  • ファンタスティックフォーの誕生(マーベル・コミック)
  • ハルク、ソー、アイアンマン、スパイダーマンなど現代の人気ヒーローが次々誕生(マーベル・コミック)
    ➡︎60年代に生まれた新しいヒーロー達は新世代に向けて描かれ、ヒーロー達も精神的な葛藤を抱えたり、嘘をついたり、より人間的に描かれた。

    • ハルク(マーベルコミックス)
      • 「フランケンシュタインから発想を得た」とスタン・リーは語る。これまでの勧善懲悪の物語ではなく、悲しみや葛藤を抱えたアンチヒーローの物語だ。ハルクに変身する原因は“ガンマ線”である。
    • マイティ・ソー(マーベルコミックス)
      • ソーはヒーローの中でも異色。人間ではない、神である。アメリカ神話であるアメコミはついに本格的神話を取り入れた。
    • アイアンマン(マーベルコミックス)
      • アイアンマンは、武器商人で大富豪かつ天才のトニー・スタークが自身の身を守るためのスーツを開発するところから始まる。グレードアップされ続けるアイアンスーツには最新科学がふんだんに取り込まれている。
    • スパイダーマン(マーベルコミックス)
      • 初めてティーンエイジャーのスーパーヒーローが誕生した。当時、思春期の葛藤を描いたコミックスは存在しなかった。これまでのヒーローと違い、スーパーパワーをまずお金儲けに使おうとするところが高校生らしい。「ヒーローとは何か」について葛藤もする等身大のスーパーヒーローである。
  • ワンダーウーマンが女性解放運動のアイコンとして復活。1950年代にすっかり男性のおまけに成り下がったワンダーウーマンが再び強さを取り戻した。

1960年代のアメリカ:月面着陸、ベトナム戦争

1969年、人類初めての月面着陸。スターウォーズに代表される70年代の宇宙ブームに火を付けました。スーパーヒーロー達も復活!
一方で、ベトナム戦争はアメリカに暗い影を落としました。キャプテン・アメリカは第二次世界大戦、アイアンマンはベトナム戦争生まれですが、時代背景により戦う相手(設定)をアフガニスタンなどに変えています。

1970年代 キャプテンアメリカがアメリカ不信に?

  • キャプテンアメリカが星条旗ユニフォームを脱いだ
  • 映画『スーパーマン(1978)』が大ヒット。

1970年代のアメリカ:政治不信

長引くベトナム戦争に、ウォーターゲート事件。人々の間には政府に対する不満と政治不信が溜まっていきました。
キャプテンアメリカのコミックでは、悪の黒幕が政府高官だと暴く回があります。コミックス内で、キャプテンアメリカも国民と同じようにショックを受け、ついに、トレードマークの星条旗を脱いでしまいました。

1980-90年代 ハリウッド映画黄金時代、ザ・80s!

  • キャプテンアメリカが再び星条旗をまとった。
  • 映画『バットマン』が大ヒット。スーパーヒーロー達のキャラクターグッズが売れる。
  • スーパーヒーロー達は子供のコミックからすっかり「アメリカの大衆文化」に進化していた。

2000年代 スパイダーマンが悲しみのNYで立ち上がる

アメリカに起こった悲劇、9.11 テロ。悲しみがある時に必要とされるのもスーパーヒーロー達の宿命で、映画界にはヒット作が連続しました。

  • サム・ライミ監督の映画『スパイーダーマン』シリーズ大ヒット(2002)
    • 9.11の後、スパイダーマンはちょうど映画公開を控えていた。ニューヨーク・クイーンズ出身で自身も痛みを抱えるスパイダーマンは、国民の求めるヒーローだった。
  • アベンジャーズ『アイアンマン』大ヒット(2008)
    • アベンジャーズシリーズの記念すべき第1作目『アイアンマン』はその大ヒットにより、倒産寸前だったマーベル社を再びスターにした。映画版『アイアンマン』の敵は、イスラム国に設定された。

2000年代のアメリカ:9.11同時多発テロ

アメリカだけでなく、世界中が衝撃を受けた同時多発テロ事件。
ヒーロー達もコミックスの中でテロリスト達への怒りと悲しみをあらわにしました。この時ばかりは「スーパーヒーロー」ではなく、一人のアメリカ国民としてスーパーヒーロー達も悲しんでいました。

2010年代〜現在 空前のアメコミブーム到来

私たちは今、アメコミヒーローを必要としている

対テロ、対テクノロジー、対ウイルス……複雑化する社会問題はスーパーヒーロー達を必要としているのでしょうか? その答えはYES。
アイアンマンやキャプテン・アメリカをはじめとする「アベンジャーズ・シリーズ」が大ヒットを記録しているのがその証拠でしょう。映画にも大物俳優がこぞって出演しています。

2010年以降のマーベルヒーロー映画はこんなに!!

用意はいいですか、いっきにいきますよ? せーのっ、

『アイアンマン2』2010
『マイティ・ソー』2011
『キャプテンアメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』2011
『アベンジャーズ』2012
『アイアンマン3』2013
『マイティ・ソー2』2013
『キャプテンアメリカ/ウィンターソルジャー』2014
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』2014
『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』2015
『アントマン』2015
『キャプテン・アメリカ/シビル・ウォー』2016
『ドクター・ストレンジ』2016
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー2』2017
『スパイダーマン・ホームカミング』2017
『マイティ・ソー/バトルロイヤル』2017
『ブラックパンサー』2018
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』2018
『アントマン&ワスプ』2018
『キャプテン・マーベル』2019
『アベンジャーズ:エンドゲーム』2019
『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』2019
マーベル・アベンジャーズシリーズの順番&動画配信まとめ 2020 より

……ふーっ。息継ぎする暇もなかったですね。

以上、アメリカの歴史と共に、アメコミヒーローの歴史を紹介しました。

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