今回はマーベルの原作考察です。
邪神とも「イタズラ好きの神」とも言われるロキの魅力とソーとの関係について、北欧神話を調べてみました。
今回は原作厨の私が説明しよう
「マイティ・ソー」「ロキ」の原作は北欧神話だって知ってた?
映画『マイティ・ソー』の原作はもちろんマーベル・コミックだが、その原作の原作は北欧神話にある。北欧神話は、世界の終末(ラグナロク)で有名な壮大な神話である。
マーベルは、北欧神話に出てくる「トール(Thor)」という北欧神話の神様を、英語読みして「ソー(Thor)」という魅力的なキャラクターを作り出した。
ロキは「ロキ(Loki)」のまま。キャラクターも敵だか味方だかわからないトリックスターとして登場する。
北欧神話「イタズラ好きの神」ロキとは?マーベル映画との違いも徹底解説!
ロキ徹底解説〜北欧神話〜
- ロキは「イタズラ好きの神」「裏切りの神」と呼ばれている
- 北欧神話のロキは、本当は巨人の血を引いているが、神オーディンの義兄弟として育つ
- 巨人は神たちの敵。つまりロキは最初から敵だか味方だかわからない出生
- 敵を差し向けるのも、味方を助ける武器(ムジョルニア)をくれるのもロキである
- 悪知恵に長け、神々に対してもいたずらをしかける
マーベルは主役を「ソー」に変更した!?
北欧神話の主役は、主神オーディン。すべての神の神様みたいなものだ。しかし、マーベルは、オーディンではなくソーを主役に選んだ。
北欧神話のソーのキャラクターとは
北欧神話のソーは、筋骨隆々で大胆。単純で怒りっぽく、怒るとすぐにムジョルニアを投げつける。そんな男だった。
マーベル・コミックがソーを選んだのは、ソーの方がキャラクターとして人間味があっておもしろかったからという理由らしい。
そこで、ロキもオーディンの義兄弟→ソーの義兄弟という設定に変更された。
さて、次はマーベル映画バージョンのロキを見てみよう。
ロキ徹底解説〜マーベル〜
- ロキは、オーディンの息子&ソーの弟として育つ。正反対の兄ソーにコンプレックスを抱きながら生きてきた。
- 「実は氷の巨人の子だった」「オーディンが連れ去って自分の子として育てた」という出生を大人になってから知って激怒(映画『マイティ・ソー』)
- その後、父オーディン、兄ソー、実の親である巨人族を言葉巧みに操り、最終的に全員を裏切る。すべてはアスガルドの王位を兄から奪って支配するため。
その後、地球征服も企むが、どちらも失敗に終わっている(映画『アベンジャーズ』) - 姿を消したり擬態する妖術を使う。そのため、失敗するとこっそり逃げ延びる。
- 巧みな言葉のトリックは健在。「おしゃべり好き」と言われている。
友人みたいに仲良しだった?ロキとソーの関係性(北欧神話)
解説したとおり、北欧神話でのロキとソーは兄弟ではない。ロキとオーディンが義兄弟ということは、伯父・甥の関係にあたるだろう。
二人の関係性はけっして悪くなかった。オーディンとロキは馬が合わないとされたのに対し、素朴なソーとトリッキーなロキの組み合わせは意外にもよかった。ソーとロキが主役になるエピソードは北欧神話にも多く残されているという。
ロキがイタズラ心でソーを裏切ることはあるものの、二人の関係は友人に近いものだった。
複雑な兄弟愛が描かれた!ロキとソーの関係性(マーベル映画)
マーベル映画では、ロキとソーは兄弟として描かれている。
血はつながっていないものの、その事実を知ったのは二人とも大人になってから。子供時代はごくふつうの兄弟としてよく一緒に過ごしたようだ。映画『マイティ・ソー バトルロイヤル』では二人が小さい頃やった遊びを再現するシーンが見られる。ほほえましい。
ソーよりロキの方が王に向いている?
兄弟として設定したことで、マーベル映画はロキとソーの関係に深みを与えた。
映画『マイティ・ソー』1作目では、兄のソーの影に隠れながらオドオド控えめに育つ弟ロキが見られる。マッチョで「俺は強い!戦争だ!」と血の気の多いソーに比べると、ロキの方が王に向いているとさえ感じさせられた。
しかし、その時点で王様オーディンだけでなく、視聴者の私たちもロキの踊らされていたのだ。
実際、それがロキの狙いだった。ロキは兄に比べ控えめに見えたが、実は野心たっぷり。肉体派ではなく頭脳派のロキは、幼い頃から虎視淡々と王位を狙っていたのだ。
ロキは兄ソーにコンプレックスを感じていた?
元来狡猾なロキだったが、兄のソーにコンプレックスを感じていたのもまた事実。ソーは明らかに父オーディンのお気に入りだったし、仲間からの信頼が厚いのもソーなんだから当然だよね。兄弟ってフクザツ……。
だからこそ、オーディンの嘘(ロキが養子だと隠していた)が発覚した途端、ロキは敵に豹変する。これはソーへの恨みというより、父オーディンへの恨みがソーに向いたのだろう。
コンプレックスを感じていたということは、ロキはソーに憎しみだけでなく「憧れ」や「尊敬」も抱いているからだ。その証拠に、ソーに褒められた時のロキはいつもうれしそうでかわいらしい。
マーベルのロキってなんか憎めない感じがあるんだよね
ロキとソーの関係には深〜い愛情がある
さて、ロキとソーについて、北欧神話とマーベル映画を比較しながら見てきた。
まとめると……
結局、二人の間に深い愛情があることは、アベンジャーズ映画をすべて見ている人ならお分かりでしょう。
映画ではとくに、ソー(クリス・ヘムズワース)とロキ(トム・ヒルドストン)の好演のおかげで、二人が魅力たっぷりに描かれている。
みんな大好きソー&ロキ
2人を兄弟に変えたのはいい変更だった
ありがとうございました