東京ディズニーシーのファンタジースプリングスがついにオープンしましたね!
映画『ラプンツェル』はお気に入りで、50回以上は観ています。
さて、今回の記事では、グリム童話『ラプンツェル』とディズニー映画『塔の上のラプンツェル』の違いを徹底的に比較します。
ラプンツェルの誕生・塔に閉じ込められる理由・キャラクターの性格や関係性・衝撃的な物語の結末まで完全考察!これまでもピーターパンの原作考察やピノキオの原作考察などを書いてきましたが、そのシリーズです。
今回のキーワードは、ダメな両親・かわいそうな悪役・生々しすぎて改変した原作ってとこね
『ラプンツェル』あらすじと設定の違い
そもそもラプンツェルはどうして塔の上に囚われているのでしょうか?
ラプンツェルの誕生と捕らわれの理由
原作:ラプンツェルの両親は、魔女の庭からラプンツェルという植物を盗んだために、魔女に生まれた娘を差し出さなければならなくなる。
ディズニー:ラプンツェルは魔法の力を持つ髪の毛を持つ王女であり、その力を利用したいゴーテルによって塔に閉じ込められる。
ちょっと待って。原作、ゴーテルは悪くないわよね?
ラプンツェルの両親がサラダ食べたいからって植物を盗んで、代償に子供あげる約束しちゃったのよね? サラダを食べるために。ただの自業自得じゃないの。
自分が悪魔と契約しといてあとで文句言う・正規の契約を守った方が悪者になる⇒こういうのもおとぎ話あるあるです。グリム童話警察はいないのでしょうかっ。
ディズニー映画の冒頭では、ゴーテルが愛用していた魔法の植物を軍隊が持って行ってしまいますね。植物は自然に咲いていたもののようです。両親はゴーテルから盗んだわけではなく、子供をあげる契約もしていません。
原作の魔女とディズニーヴィランの違い
ゴーテルは、原作では魔女とされています。一方、ディズニーヴィランズのゴーテルは、魔力はなく、育ての母親です。ラプンツェルは本当の母親だと信じて育ちます。
原作:娘が生まれると、魔女はその子供を連れて行き、「ラプンツェル」と名付けて塔に閉じ込める。
ディズニー:ゴーテルはお城から魔法の髪を持つラプンツェルを誘拐し、自分の子供として育てる。
原作の魔女は、非常に典型的な悪役として描かれていますね。一方、ディズニー映画のゴーテル母さんは、ラプンツェルの髪の魔法の力を独り占めしようとするキャラクターです。ラプンツェルに愛情を装いつつも非常に自己中心的、強烈なディズニーヴィランズの1人です。
継母ゴーテルとラプンツェルの関係って?
原作とディズニー版の決定的な違いは、ゴーテルとラプンツェルの関係性です。原作が悪い魔女としてラプンツェルを閉じ込めているのに対して、ディズニー版のゴーテルは母親を装ってラプンツェルを育てています。
ディズニー版のゴーテルの方が知能犯というか、罪が重いような気がします。でも一応ちゃんと育ててるんですよね。本当の母親ではないとはいえ、ラプンツェルは真実を知らないので、母娘としてそれなりの絆があります。
これは重要なので、最後にたっぷり考察します。
王子と改変必須の恋愛描写
ディズニープリンスであるユージーン(フリン・ライダー)は、王子様ではなく、泥棒でワケありの男性です。原作には登場するのでしょうか?
原作:王子がラプンツェルの歌声を聞き、塔に登る。何度も逢瀬を重ね、最終的にラプンツェルは妊娠。
ディズニー:泥棒のユージーンが偶然に塔に入り、ラプンツェルと出会う。ラプンツェルは外の世界を知り、ユージーンは冒険を通じて成長し、2人は恋に落ちる。
ユージーンは泥棒ですが、原作はれっきとした王子様でした。
いやいや、問題はそこじゃない。
そうです、グリム童話はその後の描写がリアルすぎるのが大問題だったのです。
原作は恋愛描写が生々しすぎる
グリム童話の『ラプンツェル』では、最終的にラプンツェルが身ごもってしまいます。「2人は何度もこっそり会ったあげくに身ごもりました、めでたしめでたし」なんて、子供に読み聞かせできません。しかも続きがあります。
これをディズニーでやるわけにはいきません。
というか、さすがのグリム童話でも改変を余儀なくされました。初版では“王子がラプンツェルにハウトゥーしてラプンツェルはソレを知りなんたらかんたら・・・”とまで書いてあるそうです。その後の改変版では「友達になり、やがて愛し合うようになる」程度にぼかされました。
これでもマシになったということね。
気を取り直して、次ページからついに物語の結末を見ていきましょう。