指輪物語「力の指輪」とハリポタ「分霊箱」が意味するモノ【敵キャラ比較】
【ハリーポッターとロードオブザリングの比較シリーズ〜敵の死と復活〜】
『ハリー・ポッター』と『ロード・オブ・ザ・リング』って似てる?今回はハリポタと指輪物語の敵キャラについて共通の疑問を考察!なぜサウロンとヴォルデモートは一回倒されたのに復活したのか?第一次戦争で死ななかった理由は?最終的になぜ死んだのか?
サウロン(指輪物語)VSヴォルデモート(ハリポタ)
ロードオブザリングの敵キャラは冥王サウロン。ハリポタの敵キャラは闇の帝王ヴォルデモート。この二人の共通点、知っていますか?
まずは基本をおさらいしておきましょう。
指輪物語のラスボス、冥王サウロンとは?
サウロンは、『指輪物語』のラスボス。「力の指輪」の作り主で主人。エルフ、ドワーフ、人間などの勢力と対立する邪悪な冥王。映画『ロード・オブ・ザ・リング』時代には、既に肉体は消滅しており、火の目の姿で現れる。「冥王」「指輪王」とも呼ばれる。
ハリポタのラスボス、闇の帝王ヴォルデモートとは?
ヴォルデモートは、『ハリーポッター』シリーズのラスボス。「名前を呼んではいけないあの人」と恐れられている最強の闇の魔法使い。ハリーに稲妻の傷を負わせた張本人で、ハリー、ダンブルドアら魔法使いたちに敵対するラスボス。かつてはトム・マールヴォロ・リドルというホグワーツの生徒だった。

さて、基本を踏まえたところで本題に入りましょう。二人には大きな共通点があります。
サウロンとヴォルデモートの共通点は「死後復活」!
サウロンもヴォルデモートも第一回目の大きな戦争(主人公よりも前の世代たちが戦った)で一度倒されています。
サウロンはどうやって倒されたのか?
- 映画『ロード・オブ・ザ・リング』の第一作め「旅の仲間」の冒頭は、人間がサウロンを打ち倒すシーンから始まる。アラゴルンの先祖イシルドゥア(イシルドゥル)がサウロンの指を切り落とし、指輪を奪うのだ。サウロンはここで一度力を失った。
- また、サウロンの前身は「モルゴス」という。サウロンはこいつの副官をしていた。モルゴスが滅びた後、サウロンが台頭する。このくだりはアマゾンプライムの海外ドラマ『力の指輪』で見られるだろう。
ヴォルデモートはどうやって倒されたのか?
- 『ハリー・ポッター』でも同じく、ヴォルデモートは、ハリーの両親世代に一度くたばっている。赤ん坊のハリーポッターを殺そうとしたところ、呪文が跳ね返って力を失う。ハリーの額に稲妻型の傷ができる。ここからハリーポッターの物語は始まるのだ。
- また、ヴォルデモートにも前身がいる。「グリンデルバルト」という最強魔法使いでダンブルドアが打倒した。この話は映画『ファンタスティック・ビースト』で見られるだろう。
なぜ死んだはずのサウロンとヴォルデモートは復活したのか?
ここが指輪とハリポタのラスボス、最大の共通点かと思います!二人は肉体を失っても「魂」として生き延びたのです。
【指輪物語】最初の戦争でサウロンが死ななかった理由
- 最初の戦争でサウロンが死ななかった理由は、「力の指輪」がまだ生きていたから。サウロンから指輪を奪ったイシルドゥアがおとなしく指輪を処分していれば殺せたのに……。
- 誘惑に弱い生物、人間であるイシルドゥアは指輪の誘惑に勝てず、自分のものにしようとした。
- サウロンは原型はとどめていなかったものの、力の指輪がこの世から消えていないせいで完全には死んでいなかった。
サウロンはどうやって復活した?
- 前述の大戦争で指輪を奪われて敗北したサウロン。体は衰え、幽鬼のような姿になり逃げ延びた。逃げ延びれたのは、指輪のパワーがまだこの世から消えていないためだろう。
- そしてなんと3000年かけて、ナズグル(かつての王)たちを操り、魔法使いサルマンを引き入れ、オークどもを従え、悪の軍勢を整えた。

ちゃんたま
【ハリポタ】最初の戦争でヴォルデモートが死ななかった理由
- 最初の戦争でヴォルデモートが死ななかった理由は、「分霊箱」を作っていたから。ヴォルデモートはあらかじめ自分の魂を分断し(人殺しによって分断できる)、それを「分霊箱」に保管しておいた。このため、体が死んでも魂は死なず、生きながらえた。
- ヴォルデモートもサウロンと同じく人としての原型はとどめておらず、体を取り戻すまで幽霊のような姿で他の生き物に取り憑いて生きていた。
- ちなみにヴォルデモートの「分霊箱」の一つはハリーそのものであったため、ハリーが死なない限り、ヴォルデモートも死なない仕組みになっていた。これはヴォルデモートも意図していなかった。
ヴォルデモートはどうやって復活した?
- ヴォルデモートの復活は映画でも原作でも本編に描かれている。4作目『炎のゴブレット』のラストである。
- 裏切り者ピーター・ペティグリュー協力のもと、体を取り戻す儀式が行われた。復活の儀式に使われた材料は、「父親の骨」「しもべの肉」「仇の血」。
- 体を取り戻しても、元のハンサムな姿は消え失せ、不気味な外見になっていた。

ちゃんたま
サウロンとヴォルデモートを最終的に倒せたワケ
亡霊のような姿になってもしつこく生きて、しっかり復活した二人。そんな最強の悪を主人公たちはどうやって殺したのか?
『ロード・オブ・ザ・リング』サウロンの最期
- これはシンプル!指輪をこの世から抹消した!以上!
- 『ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還』でフロドは「滅びの山」の炎に指輪を投げ入れ、焼き消した。
- 元々指輪の力だけで生き延びていたサウロンは、指輪が消えてしまえば終わりなのだ。
- 指輪の力ですでに衰弱しきっていたフロドをサムが支え、小さなホビットたちが世界を救った。つらかったね、フロド……。
- 【参考記事】指輪はなぜフロドに?サムじゃだめな理由『ロードオブザリング』考察
『ハリー・ポッター』ヴォルデモートの最期
- こっちは複雑。分霊箱をすべて消す必要があった。
- 魂を分断して保管しておく分霊箱だが、周到なヴォルデモートはなんと7つも作っていた。
- 7つの分霊箱をまず推測して、次に探し出し、最後に強力な魔法が宿っているアイテムで抹消する。
- しかも前述した通り、分霊箱の一つはハリーポッター自身。最期はハリーも死ぬつもりでヴォルデモートを殺しに行った。かっこよかったぞ、ハリー。
「力の指輪」「分霊箱」は死への恐怖を意味している
さて、ここまで『ロード・オブ・ザ・リング』と『ハリー・ポッター』二人の敵キャラの死後復活についてまとめてきました。非常〜によく似ているのにお気づきでしょう?
サウロンとヴォルデモートに共通しているのは「死への恐怖」なんです。
力の指輪に執着して3000年以上も生き続けたサウロンも、周到に分霊箱を7つも用意したヴォルデモートも、どれだけ死を避けようとしているか……
どちらも最初の地点では「パワー」に固執していたのは間違いないでしょう。でも、最強の力や権力、地位を手にした後でも「死」だけは免れない。“あれ?俺死んだら終わりじゃね?”とどこかの時点で気づいたんですね。きっと。そして、その晩は眠れずにうーんうーん思い悩んで、“ついにチートアイテムを思いついたぞ!フハハハハ”と。
そして、結局、それが「恐れ」につながっていったのです。
「力の指輪」と「分霊箱」の用途は別物だけれど、敵キャラの死への恐れを表すアイテムとしては、同じテーマを持っていると思いました。
主人公たちは、ラスボスに比べると圧倒的に弱いけど、自分の命をかえりみずに挑んだ。恐れを持たなかった者が勝ったということですね。

ちゃんたま