書籍『みんなが知らない白雪姫 なぜ女王は魔女になったのか』とは
悪役たちの裏ストーリーが明かされる「みんなが知らない〇〇」シリーズ。このシリーズは、ディズニー映画では語られることのなかった悪役たちの過去にさかのぼり、彼らが「ヴィランズ」に成り果ててしまった苦悩の人生を明らかにする。ディズニー映画のスピンオフ小説という位置づけ。
➡︎今回はそのシリーズから、白雪姫の継母が主人公の『みんなが知らない白雪姫 なぜ女王は魔女になったのか』という本を紹介&感想レビューします。ヴィランズの本シリーズについて詳しくは前回書いていますので参考にしてください。
この本をおすすめする人・しない人
飽きっぽいくせいに研究家なのだ
ディズニー世界観をこわすほど原作を改変していないのがよかった。むしろ、ところどころディズニー映画の『白雪姫』のシーンを彷彿させる描写があって、女王視点で映画を覗いたような感覚になれるのはおもしろかったです。著者はディズニーアニメもちゃんと見てますね。
ディズニー映画の原作が気になる人とかには、おすすめの本です。グリム童話ともディズニーとも全然違うものだけど、一つの童話として面白いんじゃないかな。
コンセプトは、ディズニーの海外ドラマ『ワンスアポンアタイム』と似ています。『ワンスアポンアタイム』好きな人には特におすすめ。こっちはこっちでまた違うディズニーヴィランズが楽しめます。
あくまでアナザーストーリーです。主役はあくまでヴィランズなので、「ディズニープリンセスの話が読みたい」「アニメの続編が見たい」って人にはおすすめしません。
ディズニーファンの読書ノート
白雪姫の女王の美しさは正真正銘ホンモノだった
「鏡よ鏡……世界で一番美しいのはだれ?」というセリフで有名な白雪姫の女王。美しい女王として有名であり、ディズニー映画でも冷たい目をもつ美女(元祖クールビューティー)として描かれています。
アニメーターは、人間味を感じさせない“爬虫類の目”をモデルに女王を描いたそうですよ。
ディズニー映画では、美しさの秘訣や美しさに固執する理由についてはくわしく語られませんが、この本では語れられました。まず、女王の美しさは魔法の鏡による魔力かなにかかと思っていましたが、美貌は生まれもったもので正真正銘ホンモノでした。その美しさで庶民の生まれながら王様に求婚され、白雪姫の継母になることになります。
若いころは自分の美しさに気づいてすらいなかった女王。心も優しく光り輝いていました。そんな女王がやがて邪悪になっていくのは、愛する王様を失ったからですが、美しさに固執してしまったのは「自分の美しさを自覚したから」といえます。さらにつきつめると、王様に求婚され女王になったのが原因だとも言えます。
美しい女王を国民は讃えました。美しさによって愛されている=美しさを失ったら、他にもっと美しい女性が現れたら愛されなくなる……という強迫観念が女王が美しさに執着しはじめた原因でしょう。
次ページからは、私が一番戦慄した「魔法の鏡の正体」について!