指輪は全部で20個造られていた!?誰がなんのために?指輪はそれぞれどこいった?|『ロード・オブ・ザ・リング』考察

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『ロード・オブ・ザ・リング』の指輪考察

フロドと指輪

『ロード・オブ・ザ・リング』は、言わずと知れた「力の指輪」にまつわる物語。世界を支配する力を持つ1つのヤバイ指輪をめぐって善と悪が戦う大神話ですが、気になるのが指輪のパワーについて。

今回は映画版だけでなく、原作の『指輪物語』も読んでしまった私が指輪の謎について解説していきます!

一つの「力の指輪」だけでなく、「三つの指輪」「七つの指輪」「九つの指輪」についてもみていきましょう。

映画『ロード・オブ・ザ・リング』は、実は、原作がある映画の中では、かなーーーり原作に忠実な方です!映画で語りきれないところもバックグラウンドとしては原作をちゃんと反映させています。だから原作本を考察すれば、おのずと映画も深く楽しめちゃいますね。

では、いきましょう。

魔法の指輪・力の指輪は誰が作った?

はるか昔、魔法の指輪を造ったのは、エルフの細工師たちでした。エルフは神秘の力を持っており、手先も非常に器用です。

たくさん造ったので、力のよわい指輪や試作品程度のものもありました(それでも人間にとっては十分にヤバイ指輪らしい)

でも、もともと魔法族のエルフさんたちや鍛冶の技術に長けたドワーフさんたちはその辺の試作品くらいじゃ感動しませんw だから、エルフたちが造ったモノの中でも特に力があると認められる、よりすぐりの指輪たちが「魔法の指輪」とされています。これらは各種族に配られました。

魔法の指輪がどの種族に何個ずつ配られたかが超重要!またあとで解説します。

一方、映画でフロドたちが必死で消滅させようとしていた一番やっかいな指輪は「力の指輪」と呼ばれています。これは前述したエルフたちがつくった指輪とはまた別格。なぜなら、力の指輪は、悪の冥王「サウロン」自身によって造られた特別な指輪だからです。

魔法の指輪はどの種族に何個配られた?

『指輪物語』の中にこんな古い詩が出てきます。

三つの指輪は、空の下なるエルフの王に、
七つの指輪は、岩の館のドワーフの君に、
九つは死すべき運命の人の子に、 ……

ちょっとおさらいすると、

  • エルフ族=弓矢のレゴラス=不老不死の美しい種族。
  • ドワーフ族=ずんぐりしたギムリ=岩に棲む力強い種族。
  • 人の子=ボロミアとアラゴルン=人間族。神秘パワーや優れた気質:なし(悲)

指輪物語にはたくさんの種族が出てきますが、指輪が配られたこの3つの種族が昔から世界の主勢力だったと言えます。マイナーなホビットとかには指輪は回ってきませんでした。

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3つの指輪がエルフ、7つの指輪がドワーフ、9つの指輪が人間。全部で19リング! 
一つの指輪にまつわる物語だと思ったらこんなに指輪はあったのか!

そして、一つの力の指輪を加えると、全部で20個の指輪が存在することになります。20リング!

各種族に配られた指輪の数の違いは、おそらく、能力の違いによるモノだと私は推測しています。

エルフはもともと能力がバツグンに高い優れた種族だから一番少ない3つ。なんの能力も持たない人間は「死すべき運命の人の子に」とちょっとディスられて9つももらっていますw

さて、エルフ・ドワーフ・人間たちは、それぞれ指輪をどう使ったのでしょうか?

エルフの「三つの指輪」はどこにいったのか

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  • 「すべての指輪の中で最も美しい三つの指輪」と本には描かれています。やっぱりエルフの指輪が一番美しいんですなあ! しかも、これら3つの指輪は、なんとずーっと無事に保存されています!
  • エルフの王たちがサウロンから隠し、しかも「まだ一度もかれの手によって触れられず、汚されたことがない」そう。さすがはエルフ!

映画でもレゴラスはじめエルフ族はとびきり美しいですが、原作を読めば読むほど、エルフたちは外見も内面もNO弱点の完ペキ優等生種族です。

ドワーフの「七つの指輪」はどうなったのか

  • 七つの指輪は、結論から言うと、無事ではありません。
  • もともとはドワーフの王たちが所有していました。しかし、3つがサウロンに奪われ、残りの4つは竜が焼き尽くした。とのこと。
  • 竜が存在していたのは、現代(フロドたちが生きている現代)ではなく、最初の指輪戦争が起こった時代のこと。つまり、ドワーフの指輪はかなり前になくなったか、すでに悪の陣営に奪われています。

竜が今もいるなら、フロドたちの指輪も竜に焼いてもらえ!ってことになってしまうもんねw

人間の「九つの指輪」は無事なのか

  • 最後に、人間に渡された九つの指輪はと言うと、、、もうぜんぜん無事じゃありません!!
  • すでに大昔から人間はサウロン陣営の配下になってしまいました。9人の王達は、指輪の幽鬼(ナズグル)に成り果てています。本には「誇り高く偉大なこの種族の者を、(指輪を与えることによって)おびき寄せた」とあります。
  • 『ロード・オブ・ザ・リング 1 旅の仲間』に出てきたボロミアを思い出してください。ボロミアは「誇り高く偉大な」ゴンドールの戦士でしたが、ゴンドールの民達を思うあまり、指輪の誘惑に負けてしまいました。過去に指輪を与えられた9人の王達もボロミアと同じだったのではないでしょうか。

人間はエルフみたいに冷たく客観的にはなれないってことですね。良く言うと、情熱的。悪く言うと、欲に負けやすい。そこをサウロンにうまく利用されました。

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サウロンの「一つの指輪」がすべてを支配する

サウロンとサウロンの目と指輪

さて、19個の指輪のゆくえをまとめてみましょう。3つが無事、4つは消失、残りの3つは奪われ、さらに残りの9つの指輪は持ち主ごとサウロンの手下となり、悪の勢力になっています。

最後に、さらにまとめてみましょう↓

映画『ロード・オブ・ザ・リング』でフロドの旅が開始した時点での指輪の内訳

  • 善の陣営側=エルフの「三つの指輪」、フロドが持っている「一つの指輪」=合計4リング!
  • 悪の陣営側=ドワーフの「七つの指輪」のうち3つ、人間の「九つの指輪」全部=合計12リング!

圧倒的劣勢の状態で物語が始まっていることがわかりますね!

でも、重要なのは、フロドが持つ力の指輪一つがこちら側にあることです。

「一つの指輪」は最強のチートアイテム

サウロンはもはや、エルフが持つ「三つの指輪」には興味を示していない、と、本の中でガンダルフが語っています。なぜなら、「一つの指輪」はチート中のチート。これさえ手に入れれば、かしこいエルフたちすら支配できてしまう。

これはまるでクイズ番組の最終問題だけが1万点になっているような、大逆転チャンスシステムなのです。これまで必死で指輪を守ってきた優等生エルフや努力家ドワーフたちからしたら「これまでの正答率なんやったねん!」とちゃぶ台返ししたくなる結末が待っています。もし、フロドの指輪を奪われたら。

だから、まあそれぞれ言い分はあるけど協力して「9人の旅の仲間で指輪を守っていこうや」というのが『指輪物語』の根本です。

『ロード・オブ・ザ・リング』ゴラムのイメージ

以上、『ロード・オブ・ザ・リング』の指輪考察。指輪は誰がなんのために造ったのか、20個の指輪のゆくえ、「三つの指輪」「七つの指輪」「九つの指輪」「一つの指輪」について解説しました!

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参考文献:
『指輪物語 旅の仲間』
J.R.R.トールキン/ 訳:瀬田貞二&田中明子
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