ネバーランドとピーターパンの恐ろしい秘密
さて、ハイライトです。原作の「ネバーランド」には、とある恐ろしい秘密が隠されていました。
迷子のロストボーイズとは?
ネバーランドには「迷子たち(ロストボーイズ)」と呼ばれる少年たちがいます。ディズニー版では、ただの着ぐるみを被ったわんぱくっ子たちに見えます。
ロストボーイズたちは皆 お母さんの存在を知りません。だからウェンディをお母さんのように慕っています。
お母さんの存在を知らないとはどういう意味?
ロストボーイズたちはどこからネバーランドへ来たのでしょうか?
その答えは原作にありました。
原作では、ロストボーイズたちは「乳母車から落ちてしまった子」だと説明されています。かわいらしい表現ですが、子供のうちに何らかの理由で親元から離れてしまった子達ということですね。
まだ終わりません。
成長した迷子たちは“間引かれる”
迷子たちは数が「決まってない」らしいです。なぜなら、体が大きくなると、ピーターが“間引く”から。
つまり、大きくなると、ピーターパンに間引かれてしまうのです。
ピーターだけは永遠に大きくならない少年ですが、迷子たちは成長してしまう。大人になるとネバーランドには住めません。だから「間引かれる」。ピーターパンの命令は絶対で、ネバーランドでは恐れられているそうな…。
「間引く」が何を意味するかは推測に任されています。さすがに具体的には書いてませんが様々な説があります。どちらにしろネバーランドからは追放されるということです。こわい…。
迷子たちはすべて男の子である
ディズニーアニメで迷子たちがみんな男の子だったことに気づきましたか? その理由も原作に書かれています。
理由は「女の子はとても賢いから乳母車から落ちたりしない」からだそうです。可愛らしい表現ですが、迷子が男の子だけというのもなんだかこわいですよね。
ディズニー版で描かれなかったあらすじに迫る
『ピノキオ』などに比べると、意外にも原作に忠実なディズニーの『ピーターパン』ですが、さすがに恐ろしいため伏せてある部分もあります。先ほどのロストボーイズの件はもちろん、結末も少し違います。
フック船長は最後まで気高かった
ディズニー版でも描かれたピーターとフックの海賊船上の戦い。
ディズニーでは、もちろん正義のピーターパンが勝ちます。追いやられたフック船長は「俺はタコだ」と叫ばされて、ズルをしたあと、敗北し、チクタクワニに追われるのです。フック船長は卑怯者として逃げてゆきます。
しかし、原作ではむしろ逆と言えるかもしれません。
原作では、ズルをするのはピーターパンの方なのです。
しかし、そう仕向けたのはフック船長本人という複雑さ。フック船長は、最後にピーターパンに「剣を使わず足で蹴れ」と合図して、自らピーターにズルをさせて、敗北を選びます。もともと貴族育ちのフック船長は、ピーターパンの生意気さや無礼さがずっと気に食わず、最後にピーターに無礼をさせたかったのだそうです。
最期に、フック船長は、青年期の頃の、貴族が通う名門校での生活を思い出します。
お父さんはナナの犬小屋で過ごすことに
優秀な子守犬のナナをお父さんは追い出してしまいます。ディズニーではその後のことは描かれませんが(おそらく時間の関係で)、お父さんは猛反省します。
そして、お父さんは反省を示すため、なんとナナの犬小屋で生活するのです。笑。
世間体ばかり気にしていた厳格な父親だったダーリング氏は、近所から笑われてもこの生活を続け、やがて事情を知った近所の方達から同情を集め、社交界でも逆に尊敬されるようになります。
このくだりは原作の中でも面白く、かわいらしいエピソードです。最後に、お父さんは迷子たちを全員養子に迎え入れました。
次のページからは「原作のちょっと切ない結末」に迫ります。