【ハリーポッターと不死鳥の騎士団の原作考察】
実は、シリウスの最期には複数の人物が絡んでいるのではないだろうか?
今回は「シリウスブラックはなぜ死んだのか?」について、5人の人物を考察します!
5人の人物とは、ベラトリックス、ハリーポッター、ダンブルドア、クリーチャー、そしてシリウス自身です。
シリウスを殺した犯人:ベラトリックス・レストレンジ
- シリウス・ブラックを殺したのは、死喰い人ベラトリックス・レストレンジである。
- ベラトリックスは、死喰い人の中でも最も残忍で、しかもシリウスとは血縁関係にあたる。2人はブラック家のイトコ同士だが、憎み合っていた。
- ベラトリックスは「神秘部の戦い」でハリーを攻撃し、加勢したシリウスを死の呪文で殺した。
この先、考察をしていくが、ベラトリックスが犯人であることだけは変わらない事実である。
ヴォルデモートの罠にハマったハリー・ポッター
シリウスは僕のせいで死んだ ―「不死鳥の騎士団」よりハリーのセリフ
- シリウスが拷問される幻覚を見せられたハリーは、シリウスの無事を確かめるべく、魔法省「神秘部」に乗り込んだ。ハリーを神秘部に誘い出し、予言を奪うことがヴォルデモートの狙いだった。
- 魔法省へ着くと、待ち受けていたのは死喰い人たち。ハリーは罠にハマっただけでなく、ロン、ハーマイオニー、ルーナ、ネビル、ジニーら友人たちも危険にさらした。
- 不死鳥の騎士団たちもハリーたちを助けに神秘部へ。この「神秘部の戦い」の最中、シリウスはベラトリックスに殺される。
- ハリーは、シリウスの死を最も悲しんだ人物。シリウスを父親代わりとも兄とも慕っていた。そのうち一緒に暮らすのが二人の夢だった。ハリーはシリウスとの親愛を利用され、ヴォルデモートの罠にハマってしまったのだ。
ハリーは友人を危険にさらし、シリウスを殺す原因を作ってしまった。かなしいことだが、ハリーは自分の行いを一生許せないだろう。
ハリーとシリウスは、お互いのことを世界一大切に思っていた。二人の絆がヴォルデモートにバレてしまったのが敗因である。
では、それをバラしたのは一体誰なのか?
主人のシリウスを裏切った屋敷しもべ妖精クリーチャー
クリーチャーは引きつけを起こさんばかりに笑って、シリウスがどこに行ったかを話してくれた。―「不死鳥の騎士団」よりダンブルドアの回想
- シリウスとハリーの関係をヴォルデモート側に伝えたのは、クリーチャーである。
- また、ハリーがシリウスの居場所を尋ねた時、ウソをついて、ハリーを神秘部に向かわせたのもクリーチャーである。
- クリ ーチャ ーは、何ヵ月もダブルスパイをしていた。
シリウスの屋敷しもべ妖精クリーチャーはかなりの戦犯である。クリーチャーはこのことを笑いながら話したという。ハリーはクリーチャーの供述をダンブルドアから聞かされて、怒りと不快感をあらわにした。
しかし、ダンブルドアに言わせれば、シリウス本人にも原因はあったという。
クリーチャーから恨みを買ったシリウス・ブラック
- シリウスはスネイプから「本部に残るよう」頼まれたが、聞かなかった。シリウスは我慢できず、ハリーを助けに行ってしまったのだ。
- 本部での連絡係をクリ ーチャ ーに任せてしまったのもシリウス自身だ。
- シリウスは普段からクリ ーチャ ーをぞんざいに扱っていた。結果として、恨みを募らせたクリーチャーに裏切られた。
シリウスがクリーチャーのことを「人間と同じように鋭い感情を持つ生き物だとみなしたことがなかったのじゃろう ― ― 」とダンブルドアは語る。
シリウスもハリーも共に勇敢だけど向こう見ずな性格で、冷静さを失い、周りが止めるのも聞かず、お互いを助けに走ってしまった。
つまり、シリウス自身にも落ち度はあったということだ。
それでも、ダンブルドアは「シリウスの死はすべてわしのせいじゃ」と言った。それはなぜか?
ハリーを愛おしく思うあまり予言を秘密にした:ダンブルドア
「シリウスが死んだのは 、わしのせいじゃ 」とダンブルドアはきっぱり言い切った 。 ――「不死鳥の騎士団」
- ダンブルドアは、ヴォルデモートが欲しがっていた予言のことを以前から知っていた。その予言こそが神秘部にあり、ハリーがおびき出された理由でもある。
- もし、予言のことをダンブルドアがハリーに前もって話していたら?ハリーはこれが罠だと気づいただろう。
ダンブルドアがハリーに話していたら、「神秘部の戦い」は起こらず、シリウスが死ぬこともなかったかもしれないのだ。
なぜダンブルドアは予言のことをハリーに秘密にしたか?
ダンブルドアがハリーに予言のことを秘密にしてしまったのは、以下ダンブルドアのセリフにすべて集約される。
「きみをあまりにも愛おしく思いすぎたのじゃ」ダンブルドアはさらりと言った。
「わしにとっては、きみが幸せであることのほうが、きみが真実を知ることより大事だったのじゃ。 ――「不死鳥の騎士団」よりダンブルドアのセリフ
- ダンブルドアは予言のことを知っている唯一の人物で、ハリーにいつかは話さねばならない立場にいた。
- ダンブルドアは何度も話そうとしたが、その度にハリーがかわいそうになって話せなかった。
- 予言とは『どちからがもう一方の手にかかって死ななければならない』というものだったからだ。
予言によれば、ハリーはみんなの犠牲になり、命を落とす可能性がある。少なくともヴォルデモートと直接対決する運命にあった。
でも、ダンブルドアは「かわいいハリーが今幸せならそれを壊したくない」。そう思ってしまったのだ。
愛ゆえの過ちなのです
シリウスはなぜ死んだ?死因と犯人まとめ
最後にこの記事で考察してきたことをまとめます。
なぜシリウスは死んだ?
「たとえば 、シリウスがこの世でもっとも大切に思っているのはきみだという事実じゃ 」 ――「不死鳥の騎士団」よりダンブルドアのセリフ
ヴォルデモートは、ハリーがどんなことがあっても助けに行く人物は 、シリウス ・ブラックだと気づいてしまった(クリーチャーの情報により)。そして不幸なことに、その逆もそうだった。
ハリーはシリウスを助けに行こうとし罠にハマり、シリウスもまたハリーを助けに来て殺されてしまったのだ。
一方、ダンブルドアがしたこと(予言のことを秘密にした)は、シリウスが死んだ直接の原因とは言えない。でも、もし、ダンブルドアが話していたら、シリウスの死は防げたかもしれない。
そういった意味で、シリウスの死因には複数の人物が絡んでいる。
シリウス死亡「神秘部の戦い」で関わったキャラクター
まずは、直接シリウスを殺したベラトリックス・レストレンジ。そして、ベラトリックスに協力したクリーチャー。
この2人は文句なしにシリウスに手を下したと言える。
次に、愛ゆえに冷静さを欠いてしまったハリー・ポッターとシリウス自身の行動である。2人は勇敢かつ無鉄砲で自身の運命を自滅に向かわせてしまった。
そして最後に、愛ゆえにハリーを守ろうとしたアルバス・ダンブルドアである。ダンブルドアはシリウスを救えたかもしれない情報を秘密にしてしまった。結果、間接的な原因を作ってしまったと言える。
シリウスの最期には、このように複数の人物が複雑に絡み合っているのである。憎しみで行動した敵陣も愛で行動した味方もいる。
中でもダンブルドアの行動には賛否両論ある。あなたはどう思いますか?↓
以上、「シリウス・ブラックがなぜ死んだか?」ハリーポッター考察でした。
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