原作『ピーターパンとウェンディ』のちょっと切ない結末
ピーターのかわいそうな過去
ディズニーのピーターパンでは、最後にピーターが海賊船でウェンディたちを家まで送っていきますね。
原作ではこうです。
ダーリング夫妻は毎日窓を開けて子供たちの帰りを待ちこがれている。しかし、ピーターはこっそり窓に鍵をかけ、ウェンディに「もう両親は待っていない」と思わせ、ウェンディを連れ帰ろうとします。
なぜなら、ピーターが過去に両親に同じことをされたから。
ピーターもその昔、家に帰ろうとしたことがありましたが、家の鍵は閉まっており、別の子供をあやすお母さんが見えました。そして、ピーターパンが二度と帰ることはありませんでした。(帰ったら大歓迎してくれたはずですが。まるでトイ・ストーリー3のロッツォですね)
原作では、ウェンディはどうなったのでしょうか?
ウェンディと涙の再会
ウェンディのお母さんの涙を見たピーターは、かわいそうになり、結局ダーリング家の鍵を開けて、ウェンディを帰してあげました。
ウェンディのお母さんは「年に一度だけウェンディをネバーランドに行かせてあげる」とピーターに約束をします。
ウェンディは年に一度ピーターパンを待ちますが、時間の概念がなく忘れっぽいピーターは、来たり来なかったり。そのうち2年後になり、数年後になり、ウェンディは大人になりました。弟たちや養子になったロストボーイズたちもまた普通の大人になって、子供時代のことは忘れてしまいました。
数十年後、大人になったウェンディを見て、ピーターパンは泣き崩れます。
そんなピーターを慰めたのは、ウェンディの娘・ジェーン。(最初にウェンディとピーターが出会ったシーンが伏線となっています)
その年から、ピーターは娘ジェーンとネバーランドへ、そしてまたその娘、その娘…と受け継がれていきました。
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これが原作『ピーターパンとウェンディ』のラストです。美しいハッピーエンドですが、皆が大人になっていくのは、少し切ないですね。
ディズニーでは『ピーターパン2』という続編で、娘ジェーンと大人になったウェンディが描かれています。
まとめ:『ピーターパン』の原作とディズニー版の比較で見えてきたこと
これまで様々な「ディズニーの原作」を紹介してきましたが、その中でも『ピーターパン』はかなり原作に忠実な方ではないでしょうか。
原作がもともとファンタジー要素いっぱいで、ディズニーと通じているのかもしれません。
それにしても、ロストボーイズの“間引き”描写だけは衝撃でした…。
大人になってから「子供時代を生きる少年」と「普通の大人になったウェンディたち」を読むと、少し切ないというか、考えてしまうところがあります。私も何か忘れてしまったのかな、なんて…。
でも、全体的には面白かったです。おとぎ話の原作にはこわいところもありますが、前に紹介したピノキオの原作やノートルダムの鐘の原作に比べるとかわいいものです…。ピーターパンは原作を読むのもオススメです。
これからもディズニーやファンタジー映画の原作を紹介していきますので、興味がある人は、他の記事も読んでみてください!
最後までありがとうございました。Happy ever after!